大事なのは適切な撮影データと、信頼できる結果を導き出す知見にあります

昨今では建物調査を大幅に効率化させる高性能な調査機器などが多く存在しています。そのような機器を使用することで誰にでも比較的容易に検査をおこない、結果データを得ることが可能です。

しかし、その検査結果のデータ解析から適切な劣化箇所を見分けられる経験・知見が最も大事になります。特に赤外線カメラなどの熱画像は色の変化だけで容易に劣化が判断できるものではありません。

赤外線カメラによる外壁調査

安心に安全に調査ができる赤外線外壁調査。コストも従来の調査より抑えることができる非破壊検査法です。

赤外線調査法は撮影対象の表面温度をサーモグラフィカメラにて可視化。温度変化から内部の浮きや劣化を診断する非破壊検査の手法です。例えば外壁タイルに浮きが生じていた場合、背面の空気層で熱抵抗が生じ健全部との間に温度差が生じます。このような異常な温度分布より劣化部分を抽出します。

外壁タイル剥離部が高温になる原因

日射の熱エネルギーは外壁タイルから躯体コンクリートへと移動・吸収されていきます。この時、剥離などでタイルとモルタルの間に空気層ができている劣化部分は、裏面に熱が逃げにくいために、そこに熱が留まることで健全部と比較して高温になります。

赤外線カメラで撮影すると、それら高温部(空気層=浮き)が、高温を示す赤色に変化します。

定期報告制度が改正される前の調査

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国土交通省告示第282号において、竣工後及び外壁改修工事後10年を経過した際の外壁診断の手法は「テストハンマーによる全面打診」と定められていました。新築、改築後10年を超えた建築物の、特に危険度の高い外壁面は全面調査をおこなわなければなりません。

定期報告制度改正後は赤外線カメラ診断も可能に

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本来、外壁診断法は「テストハンマーによる打診調査とされていましたが、国交省住宅局建築指導課の監修において「赤外線カメラによる診断」も認められました。昨今では、赤外線カメラ診断法は全面打診に代わる調査方法として注目を集めています。

打診調査と比較した場合のメリット・デメリット

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赤外線調査は打診調査と比べてコスト的にも大変有利な調査方法になりますが、メリットばかりでもありません。ここでは打診調査と比較した際の赤外線調査のメリットとデメリットをご紹介いたします。

赤外線調査のデメリット

  1. 建物ごとに仕上げ工法が異なる事と、撮影するタイミングの違いから解析精度の安定化に課題がある。
  2. 解析者により判断が異なる。
  3. 天候状況に左右されやすい。
  4. タイル仕上げの場合、浮き界面の特定ができない為、工事提案に直結することが難しい。
  5. 周辺環境、立地条件により撮影できない部分が存在する。

このように赤外線カメラでの調査には打診調査と比べてデメリットも存在します。特に周辺環境や立地条件により撮影が出来ないという点は、事実上赤外線での調査は不可能となりますが、これはその他の調査方法を組み合わせることで、コストを抑えつつ信頼性の高い調査をおこなうことが可能です。

赤外線調査に使用するサーモグラフィカメラ

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弊社が活用する赤外線調査は、世界の赤外線市場をリードするグローバル企業「FLIR(フリアー)」社のサーモグラフィカメラを使用しています。多くの世界中の産業で活用される信頼性の高い赤外線調査機器で、冷却式・非冷却式センサーを持つ赤外線カメラの中でも、最高クラスの機器で調査を行っています。また、地上からの撮影に対応できない高層建物などの調査に関しては、赤外線ドローンを合わせて活用します。

冷却式・非冷却式センサーの赤外線カメラとは?

赤外線カメラのセンサーには、センサーを極低温に冷却して動作させる冷却式と、常温帯で動作する非冷却式があります。冷却式は非冷却式よりも応答速度が速く高感度ですが、冷却ユニットを内蔵することから、非冷却式よりも大型で高価かつ冷却ユニットの定期的なメンテが必要となります。非冷却式は、冷却ユニットの搭載がないため小型で安価ですが、冷却式よりも感度・解像度などがやや劣ります。

[非冷却式赤外線カメラ] FLIR T1040

非冷却式の赤外線カメラとして、最大画素の検出器と独自開発の光学システムで、クリアな画像と正確な温度測定が可能です。様々な場面、あらゆる建物で精密な診断ができ、潜在的な問題を見逃すことがありません。

  • HD解像度。また最大で310万画素の熱画像生成が可能
  • 温度分解能は最高クラスの0.02℃

[冷却式赤外線カメラ] FLIR A6701sc

最先端の検出素子であるアンチモンインジウム(InSb)を搭載した冷却式赤外線カメラ。0.02℃未満の微細な温度変化を捉える精度で、太陽光が当たらない地下やトンネルなどのコンクリート構造物の非破壊検査を行うことができます。

  • 地下鉄やトンネルなど土木構造物の診断で力を発揮
  • 日射のない建物の北面での調査にも最適

[赤外線ドローン] DJI Matrice300 RTK

高精度なナビゲーションと測位システムのRTKを搭載。航空システムから着想を得て設計された、DJIの産業用フラッグシップドローンです。最先端のAI性能と6方向検知&測位技術など多くの機能を搭載し、多種多様な場面での調査を可能にします。

  • 高層建物など地上撮影の範囲外になる部分の赤外線調査が可能
  • 通常カメラでは十分な撮影距離がとれない環境にも対応

冷却式赤外線カメラによる土木構造物の調査実績

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赤外線調査は土木構造物にも有効です。特に精度の高い冷却式赤外線カメラは、地下などの日光の当たらない環境にある構造物に対しても温度変化を捉えることが可能です。

トンネルなど日射の無い現場での調査を行った事例

土木構造物 赤外線調査実績

地下鉄線構内の側壁部劣化調査

地下鉄やトンネルなどは日射の影響を受けないため、人工熱源で強制的にコンクリート表面を加熱する手法がありますが、時間とコストを要します。冷却式赤外線カメラを活用することで、自然状態で診断ができるため費用も時間も短縮することができます。

北面など温度変化の少ない環境の調査も可能

土木構造物 赤外線調査実績

橋脚の外壁面の浮き・ひび割れ等の調査

太陽からの日差しが当たらないため、通常では条件が揃わなければ困難とされる北面での浮きの調査についても、冷却式赤外線カメラであれば、さほど外気温が高くない環境においても検出することが可能となっています。

状況に合わせた最適な調査法の組み合わせをご提案

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現場の環境により、例えば赤外線カメラでの撮影が難しい場合であっても、撮影が出来る箇所のみを撮影し、撮影が難しい場所に関してはゴンドラやロープアクセスなどでの打診調査を組み合わせることで、足場を仮設した全面打診調査を行うよりもローコストな調査が可能となります。状況によってコストを抑えられるよう柔軟な対応をさせていただいております。

【参考事例】打診+地上撮影+ドローン撮影での組み合わせによる調査

参考見積り(一例)

作業内容数量単価価格
地上赤外線カメラ撮影
(撮影・解析)
2350㎡150円352,500円
赤外線ドローン撮影※
(撮影・解析)※ドローンの許可申請費含む
1式400,000円
報告書作成・経費1式180,000円
合計932,500円
※上記はあくまで参考的な価格の一例です。現場の状況や時期などにより価格は変動いたします。

赤外線調査 紹介パンフレット

赤外線カメラ/赤外線ドローン
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