ニーズが高まる物流施設 床スラブのひび割れ調査

コンクリート構造物の美観、耐久・耐震性など長期に渡って維持していくためには、コンクリートのひび割れの発生を抑制していくことが大事となります。コンクリートの水分が失われることによる収縮や、床コンクリートの自重による沈下などによる床のたわみからのひび割れなど、その発生要因は様々。

昨今では、ネット通販市場の隆盛から物流施設が増加傾向にある他、ロボットによる物流搬送システムも急速に進んでおり、このような施設のコンクリート床スラブに発生するひび割れは、作業に大きな影響を与えることになります。当社では、長年のコンクリート構造物の豊富な調査から得た知見と、作業を効率化するソリューションを組み合わせた迅速で正確な調査を行い、ニーズにお応えいたします。

コンクリート床面のひび割れ調査

客観的かつ正確なひび割れの抽出を実現する調査技術

コンクリートに必ず発生するひび割れ。ひび割れが起こると美観に問題が出るばかりでなく、耐久性能の問題が大きくなってしまうのが問題となります。よって、ひび割れは初期段階からその幅や進行性を把握することが重要となります。

従来の人手を使ったスケッチを用いた調査は、記入漏れなどのヒューマンエラーが起こる可能性があることや、広大な物流施設などになってくると膨大な時間とコストがかかります。当社では、広大な床面も効率的に撮影可能な「大平面撮影技法」を用いた撮影と、画像解析においては独自開発のAI解析ソフト「スマートクラックチェッカー」を活用し、効率的な作業を実現しています。

スマートクラックチェッカーは、撮影した可視画像を自動的に補正しオルソ画像を生成します。その生成されたオルソ画像から、ひび割れ箇所をトレースすることでひび割れ箇所を自動的に抽出します。

システムにAIを活用することで、ひび割れや長さの正確なデータを可視画像上から測定可能です。

スマートクラックチェッカーの特徴

撮影位置を列単位で管理し、列ごとの同じ補正値の画像を取得することで、内部的に自動補正+自動合成ができる移動型の撮影ユニットです。従来の調査方法と比較し、短時間で大規模な床面を撮影可能です。

画像からひび割れの可能性のある曲線をAIが検出し、ひび割れの幅を自動的に予測します。予測されたひび割れは幅ごとに分かりやすく色分けされて可視化・出力されます。

スマートクラックチェッカーでのひび割れ検出の流れ

その他の手法:ドローンによるひび割れ調査の例

- FLOOR CRACK SURVEY -

昨今、業務効率化に向けて活用が拡大しているドローン。当社でも建物の外壁調査等に活用している他、物流倉庫のコンクリート床面の調査にもその活用の幅を広げています。規模の大きい物流施設の場合、先にご紹介したデジタル一眼システムでも撮影に時間を要することがあります。そのような場合、ドローンを活用することで撮影時間を大幅に短縮することが可能となります。

画像の補正(あおり補正)について

カメラで撮影した画像には、画像が外側に向かい膨張する「樽型収差」や内側に向かって収縮する「糸巻き型収差」など、カメラのレンズ特性による画像の歪みや、例えば上記の画像のような撮影時の角度の傾きなど、正確に劣化を抽出するにあたり、必ず修正すべき問題が出てきます。

当社のシステムではこれらを一括して補正することで、ひび割れの自動抽出の精度を向上し、正確な位置の劣化情報を特定することを可能としています。

床面ひび割れ調査の事例

- FLOOR CRACK SURVEY -

昨今、主に物流倉庫でのニーズの高い床面スラブのひび割れ調査。当社で行った物流倉庫の調査事例(一部)となります。調査から報告書の提出、補修が必要な場合はその対策までご対応いたします。

01 某先進物流施設-1

ドローンにより床面の撮影を行うことで、調査効率が飛躍的に高まります。また、ドローンが高性能になればなる程その効率は上がります。

02 某先進物流施設-2

ドローンにより取得された画像は、専用ソフトウェア上で自動的にあおり補正がなされ、クラックの幅も自動的に解析。0.2mm未満のクラックも見逃しません。

03 某大規模物流施設-1

大規模な物流施設であっても、取得された撮影画像から自動で補正できるのが手作業にはない強みです。経験に関係なく定量的に高品質な結果をご提供いたします。

04 某大規模物流施設-2

誰が撮影をおこなっても、迅速かつ効率的に高品質なデータ取得ができる撮影手法を確立しています。調査対象が大規模になるほど、通常の調査手法との差は歴然です。