こんにちは。今日は朝から時期にそぐわない非常に暖かい日になっています。12月に入ってからの1週間は平年よりも気温が高くなるという予測通りでしょうか。今年は暖冬。

過去の暖冬ではスキー場が営業できなくなったり、インフルエンザの流行が遅れたり、野菜の価格高騰など、色々な影響を及ぼしていますが今季はどうなることか…今から気をつけておきましょう。

さて、本日は大成建設が富士テクニカルリサーチ、マック株式会社、古河ロックドリル株式会社との共同で、プロジェクションマッピングをトンネル工事に利用するという珍しい試みが、プレスリリースされていましたのでご紹介いたします。

山岳トンネル工事における切羽プロジェクションマッピングの開発


出典:大成建設

プロジェクションマッピングはもう皆さま御存知かと思いますが、一応ご説明するとコンピュータグラフィック(CG)をプロジェクタなどの機材を用いて、建物やその他の物体、空間などに対してCG映像を映す技術です。

これは網走流水まつりの際のプロジェクションマッピングですが、下の映像のように平面でなく立体的な物体に対して、映像も立体を意識して作成されていますので素晴らしいエンタメ感があります。

プロジェクションマッピングは、このように演出ツールとしての利用に最適なイメージがありますが、今回この技術を山岳トンネル工事に活用するということで、どういう風に利用するのでしょうか?

山岳トンネルの工事は、一般的に連続して堀削工事をするために作業班を昼夜に分けて工事を進めます。なので作業の交代時に切羽地盤の硬軟や不安定性の情報を次の作業班に引き継ぐ形になっています。

ですが、切羽は安全確保のために吹き付けコンクリートで覆っており、地盤の硬軟等の具体的な位置を直接目視等で確認することができません。

また、詳細な位置を把握するには切羽と図面等を照合しながら作業する必要があり、時間と手間を要することが課題でした。そこで各社はこれら課題を解決するため、今回の切羽プロジェクションマッピングの開発に至ったそうです。

切羽プロジェクションマッピングの特徴

1.油圧削岩機の位置情報をもとに最新の画像をボタン一つで投影可能
装置は削岩機上部に位置しており、削岩機の持っている位置情報を活用します。装置と切羽面との位置関係を計算し、画像を適切な大きさ、角度、傾き等の調整・加工を行い、ボタン一つでそれを投影できます。

投影された画像は坑内の無線LANを介して自動的に外部のクラウドへアップロードされ、装置の電源を入れるとクラウドから最新の画像がダウンロードされるようになっています。画像の切り替えもボタン一つで可能。

2.投影した画像を活用し、安全性と効率性の向上を実現
切羽に地盤の硬軟などの情報を投影できるので、十分な安全性を認識した上で作業を進めることができます。また、スケッチ図や施工計画図など任意の詳細な情報も投影できるため、切羽付近でのスプレーによるマーキング等の位置出し作業を削減できます。

3.汎用品活用で導入コスト低減
使用するプロジェクターは一般購入できる低価格な汎用品を使用しています。1台で10,000ルーメン以上の十分な高輝度を発揮しながら導入時のコスト低減を実現します。

4.トンネル内での作業環境に配慮した機器設計
装置に関連する機器類は全て削岩機に搭載しているので、パソコンやプロジェクターをトンネル内で発生する振動や粉塵、熱などの影響から守る必要がありますが、耐久性、排熱性を考慮した特殊ケースを用いています。


出典:大成建設 切羽の実物大写真


出典:大成建設 切羽スケッチ


出典:大成建設 コンター図

まとめ

これはかなり有用な活用方法ですね。ARを活用して同じようなことができそうだと思いましたが機材関係のコストが大きくなりそうですね。

しかしこのプロジェクションマッピングの手法であれば、機材は汎用品を使えますし、何より実際の場所にそのまま投影された情報が誰の目にも明らかな状態で確認できますので、かなり分かりやすいのではないでしょうか。

エンタメ方面のイメージの強いプロジェクションマッピングですが、このように使い方次第で業務効率化の手助けになるものに変わるのを見ると、技術は本当にアイデアというか使い方次第ですね。