こんにちは。以前にも書きましたが、国内で平成22~29年度の8年間で67件の剥落事故が発生。内、負傷者があった事故が38件。毎年8件の剥落事故の発生と約4名が犠牲になっている計算です。

そしてこれはあくまで国交省に報告のあった分だけの数になりますので、報告のない分や人知れず剥落しているものを合わせると実際はかなりの数になるでしょう。外壁タイルの剥落問題は深刻です。

本日はそんな外壁タイルの剥落防止技術をご紹介。大林組の開発した新しい工法となります。

落下防止ネットと仕上材を一体化したシートを使用

その技術ですが、落下防止ネットと石材調の仕上材を、あらかじめ一体化した石材調シートをアンカーピンなどによって既存の外壁に確実に固定するという工法「外壁改修技術リニューフェイス」です。

従来、剥落が発生した外壁はアンカーピンやエポキシ樹脂により部分的に補修されるのが一般的。剥落が起きるたびに部分的に補修をする必要がありましたが、近年ではその対策に全面的に剥落を未然に防止することを可能とする複合改修工法を適用するケースが増えています。

ただしその工法は、既存外壁タイルの剥落を防止するネットを張り付けた後、表面の改修仕上げをする必要性があり、現場の作業工程が多くなることで工期の長期化、コストの増加が課題になっています。

リニューフェイスの特長

大林組が開発した工法「リニューフェイス」では、予め落下防止ネットと仕上材を一体化した石材調のシートを用いることで、短工期、低コストでタイルの剥落防止・保全と、外装デザインの一新を実現。

一般財団法人日本建築総合試験書の建築技術性能証明を取得している、高い安全性を有した工法です。

1.短工期・低コストで外装デザインを一新
落下防止ネットと仕上材をあらかじめ一体化した石材調シートを、既存タイル張り外壁の前面に固定することで、タイルの剥落防止と保全をおこなうと同時に意匠性の高い仕上げを実現。

石材調シートは向上での製作となるので、施工現場での吹付けによる仕上げと比較しても施工品質が安定しています。

また、従来の剥落防止ネットと仕上材の施工を順次おこなう外壁複合改修工法と比較すると、現場作業の工程を削減できるだけでなく、人件費・仮設材料費の削減や仕上材の吹付けが必要になる場合、大掛かりな養生は不要となります。

結果、工期が約20%短縮し工事費を約20~30%削減できるという結果が出ているようです。

2.定期的目視点検で安全を維持
改修後のメンテナンスにおいては、従来工法では落下防止ネットを固定するアンカーピンが仕上材の下に隠れてしまい、目視による点検が困難でしたが、リニューフェイスではアンカーピン頭部を目視確認できることから、アンカーピンの周りの変化を確実に早期に発見可能。

・従来工法

出典:大林組

・リニューフェイス工法

出典:大林組

定期的な全面外壁目視による点検と上塗り材の塗り替えをおこなうことで、継続した安全性の確保が可能となります。


出典:大林組

まとめ

こちらの工法の場合、タイル面の上に石材調のシートを張って仕上げるので、本来の外壁タイルの意匠性は失われてしまいますが、剥落の防止方法としては確実な効果がありそうです。

外壁タイルの剥落は本当に多く、たまたま大きな事故に繋がっていないのが幸いしている危険な事例は多いです。弊社でも外壁が劣化してタイルが剥落したから改修したいというお問い合わせをいただくことがあります。

これが人や物に当たると大きく報道され社会的な問題になります。だからという訳ではなく、やはり人の安全が脅かされるという事はあってはなりませんので、剥落してから建物の劣化の進行に気づくということではなく、剥落に至るまでに定期的に適切な処置をとっていくことが大事です。