こんにちは。ドローン技術も高度化してきている昨今ですが、それに伴い諸外国ではドローンを利用したテロも実際に起っているという現実もあります。

来年19年にはラグビーのワールドカップや20年には東京五輪・パラリンピックも控えており、ドローンテロの可能性も懸念される中、政府では未然防止策の検討も進めるようです。

便利な技術にはこういう裏の側面も常につきまとうもので、悪用される事例が増えるのは何とも悲しいものですね。イタチごっこのようになるかもしれませんが、またそれが技術の発展になっている側面もあるのが皮肉なところです。

さて、本日はそんなドローンとAIでも映像認識を組み合わせて、肉眼で見えない映像を可視化することに成功したという技術の話題。

夜間でも明瞭なドローン映像。個体認識、動体解析も可能

これはITソリューションを提供する企業、トライポッドワークス株式会社の開発した技術で、映像認識AIを用いた映像解析の強化をおこない、ドローンの映像や夜間映像に対応。

この技術によってドローンの高所映像の解析だけでなく、肉眼では見えない暗闇の映像でも個体の識別や動体の解析ができるようになっています。


出典:トライポッドワークス

凄いのは色までも認識が可能になっており、昼夜を問わない設備の点検や、防犯などセキュリティ面、災害対策などのサービスを提供できることになります。

開発背景

例えば、畜産の分野で最も手間がかかっているのが家畜の頭数管理と言われているそうで、これまでは人が高台などに登って目視で確認をおこなっていたそうです。

管理している頭数と実際にカウントした数が1頭でも異なると、全ての家畜の認証番号を確認しなければなりません。牧場は広大なのでこれらの業務の負担はかなり大きく、そして何度もおこなうことが出来ないので細かな放牧管理ができていない状態だったそうです。

そこでドローンで上空から確認するやり方をおこない、それの有効性は確認できたものの、上空からの動物向けのAI学習データは存在しておらず、頭数カウント、個体識別までには至っていませんでした。

そして夜間の管理の場合は目視でおこなうことすら出来ないので、これらが課題となっていたそうです。

開発した技術

それら課題を解決すべく、映像認識AIにはNTTコムウェアが提供する「Deeptector®」を採用。ドローンはイームズロボティックス社と連携。

そして夜間撮影にCANONの超高感度カメラ「CANON ME20F-SH」を用いることで、目視が出来ない星明りの暗闇でも可視光映像の撮影が可能となり、昼間と変わらない映像解析が可能になっています。

上の動画は夜間の空撮撮影をまとめたもので、1分50秒辺りから見るとよく分かりますが、暗闇を撮影したものと思えない、カラフルで明るい映像になっています。


出典:トライポッドワークス

一体このドローンに積まれているCANONのカメラはどういうカメラなのか調べてみた所、とんでもない性能のカメラでした。

下図はデジカメに搭載されているイメージセンサーのサイズの大きさ比較となっており、一般的にはこのサイズが大きいほど高画質で光を受け入れる面積も大きいので暗闇でもノイズも少ない明るい映像が撮れます。

一番小さいサイズのセンサーは主にコンパクトデジカメやで使われており、スマートフォンのセンサーはそれより更に小さいです。

一眼レフカメラのセンサーサイズは3種類程ありますが、フォーサーズやAPS‐Cサイズの物は入門用などの一眼レフに多く使われています。現状で最も画質が良いと言われるフルサイズのセンサーは、数十万円するプロ用の一眼レフカメラに積まれています。

今回ご紹介した「CANON ME20F-SH」ですが、そのセンサーサイズはフルサイズより更に大きく、7.5倍以上の面積を持っているそうです。


出典:CANON

そして何より凄いのはISO感度で、現状の一眼レフの最上位機種の約20倍の感度を持っています。ISO感度とは簡単に言うと光を捉える能力の高さのようなもので、この数値が高いほど少ない光源でも明るい写真が撮れるようになります。

この4百万というとんでもないISO感度で、星の光だけあれば昼間のような明るい映像を撮れるそうです。とんでもないカメラですがお値段も360万円ととんでもないです。

しかし今回のように有効に使える環境があれば、長い目で見れば安い買い物なのかと思います。

まとめ

家畜の頭数管理はもちろんですが、セキュリティ面では人物の検知、災害時には避難所の人数カウント、夜間の高速道路の危険物点検などが用途として考えられているそうです。

夜間にこれだけ明るい映像が映像が撮影可能であれば、それ以外にも幅広い分野で使い道ができそうですね。