こんにちは。最近はずっと雨模様ですね。天気予報通りにいかないものです。こんなにちょくちょくと雨が続くと現場仕事では予定変更を余儀なくされるので全く困り物です。

さて、本日は日経アーキテクチャにて気になる記事が掲載されていたので、そちらを少しご紹介したいと思います。

現状のずさんな施設管理の実態が明らかに

まだまだ記憶に新しい今年6月に発生した大阪北部地震。中でもブロック塀の倒壊事故は大変な問題となり、各県各所で既存ブロック塀の調査がおこなわれました。

その中で三重県にて県有施設のブロック塀を調査したところ、「特定建築物」「特定建築設備等」の計214(※1)もの棟で建築基準法に基づいた定期点検が未実施、ということが判明したそうです。

※1. 点検義務のある建築物1,111棟のうち168棟。建築設備のある1,085棟中194棟。重複の建築物を差し引き合計214棟。

2005年の法改正後(※2)からただの1度も点検をしていない県有施設は100棟以上も存在しています。

※2. これは建築基準法の改正で、延べ面積100㎡超の建築物等は3年に1度の点検を求めるもので、その定期報告、及び定期報告概要書の添付が義務付けられるものです。定期報告概要書とは第三者から閲覧要求があった場合には閲覧させなければならない、と規定されております。

1度も点検をしていないし報告書もないとなれば、その建物の安全性はどこで判断するのでしょうか?見た目?年数? 当然、概要書も存在していませんので、第三者からの閲覧要求に応えることができないということ。これは大きな問題です。

認識不足が原因

何故このような状況になっているのかの原因ですが、県の危機管理課によると「2005年の法改正後の情報伝達が徹底できていなかった」そう。

一方、今回の点検義務のある168棟の建築物の内、約100棟が県警察本部の所轄だったそうで、その警察署には一級建築士が3人所属していたようですが「定期点検の重要度に関する認識が薄かった」ということです。

これでは「ずさん」と言われても仕方がありません。恐らくは建物のどこかが目に見えて壊れてしまったり、何か事故が起こってから慌てて対応するというパターンですね。

今回、2007年に開館した熊野古道センターの展示棟などの3棟で、定期点検が実施されていなかったということ。不特定多数の来客利用がある施設での定期点検の無実施は、危険な状況であると言えるでしょう。

難しい現状

定期点検をおこなわない施設の管理側の問題とは言え、だからといって一方的に管理側に問題があると言うには中々難しい問題でもあると思います。万が一事故が起きた場合、管理側が悪とされるのでしょうが、この定期点検をおこなうには当然金銭的な問題も絡んできます。

マンションの管理者など負担額が大きい場合に、各規模もそれぞれだと思いますし、定期的な負担を強いられることで実施が難しい、という状況になるのも考えられます。

そうなると管理者側の心理としては、責任逃れのために制度を作っている、強制的に押し付けている、という考えになる人が出てきてもおかしくはありません。

まとめ

現状、定期点検には補助金制度のようなものはありませんので、その辺りを考えた制度へと変更を加えるということも視野に入れなければ、反発も多くなることは想像がつきます。

結果的に定期点検を実施しなかったり、調査精度に信頼が置けるか分からない格安の点検に流れ、最悪は事故が起きてしまうのではないかといった危惧があります。

が、この辺り「制度を変えて点検を義務化したから必ず点検して報告しなさい」と言われて、分かりましたと簡単にはいかない現実もありますが、だからといって点検をしないことで利用者が危険に晒されるのは確かで、それは絶対に避けなければなりません。

制度は作って投げるだけでなく、管理者側の現状も考えて加味し全体的にバランスの良いものにする必要があると思われます。

今回の件は、情報伝達自体が出来ていないのと重要度に関する認識が甘かったということですが、それはこのような現状の中、多くの建物管理者から見たらどう思われるのかということも考え、県の危機管理担当の方や県警の方は、もっとしっかりと管理するべきであります。

これは三重県での問題でしたが、氷山の一角でないことを祈ります。