こんにちは。今週に入り益々暑くなってまいりました。何やら消防庁からの発表によると4月30日~5月13日の2週間の間に、全国で545人が熱中症で救急搬送されたそうです。

例年の傾向では5月以降から熱中症患者が急増するということなので、十分に気を付けていきましょう。

さて、本日は現場において最も重要な事項でもある安全。ご紹介するのは、トンネルの穿孔工事の際における安全を地質の状況を確認することで、起こり得るリスクを回避しようという技術です。

地質をリアルタイムに評価・確認できるシステム

山岳トンネルの堀削工事では、事前の地質調査で得られた情報を基に「切羽」を使って掘り進めていきます。基本的には切羽で掘りつつ地山状況を直接確認しながら慎重に進めなければなりません。

それでも、目では見えない土の中の話になるので、いくら慎重に進めても予期しない断層が現れたり、急な地質の変化が起こったりというリスクは常に付きまといます。

そこで、鹿島建設はIoT技術を活用したリアルタイムに地質を評価できるシステムの「スマート切羽ウォッチャー」を開発しました。

システムの概要

この「スマート切羽ウォッチャー」では、2つの技術で構成されています。

技術1:コンピュータジャンボ
これは発破孔やロックボルトの穿孔データで得た、破壊エネルギー係数を解析し、わずか1分で切羽前方5mの周辺地山も含めた地質の状況を高精度に予測、評価できるシステムです。

施術2:切羽写真を画像処理し剥落危険度を評価
デジカメで切羽を撮影したデータを解析。岩盤の風化度合や割れ目の分布などを定量的に評価し、剥落の可能性のある箇所を検出できます。


出典:鹿島建設

このシステムの画期的な点として、解析結果は作業員のスマートフォンなどに約10秒という早さで転送されます。このリアルタイム性で危険箇所の見落としが防止できます。


出典:鹿島建設

ちなみにシステムの開発にあたり、全国のトンネル現場の切羽の写真と剥落記録データを収集し、検出のアルゴリズムを確立したそうです。データ量が多ければ多いほど検出の信頼性は上がります。ディープラーニングのような感じでしょうか。

運用面

さらにこれらのデータはクラウドを活用し、全社で情報共有、バックアップを実現しているとのこと。


出典:鹿島建設

坑内のWiFiを通じて現場の解析用コンピュータに転送、自動的に解析をおこない、その解析結果が現場の作業員・現場事務所へのフィードバックだけでなく、本社の技術研究所でも確認が可能。

これにより地質専門家によるリアルタイムなバックアップも可能になり、全施工期間を通じて適切な施工判断ができるという形になっています。

まとめ

眼の前の見えない土の中を可視化することは流石にできませんが、このように事前の調査データや過去の作業時のデータを集めて解析アルゴリズムを組むことで、高精度に予見することができるのは素晴らしいですね。

我々のような外壁調査などでも、集めたデータがあることで何か可視化できるものがあるかもしれませんね。打診調査の判断をAIでおこなう技術などはそういった物の一つかもしれません。