こんにちは。いよいよ本日から12月に突入しました。

本当にあっという間に12月です。色々と忙しくもなる月なので、健康に気を付けて今年最後までやりきりましょう。

高精度MEMSセンサで構造物の健全性を評価

本日は大成建設さん他3社(横河電機・長野日本無線・東京大学)により開発された、MEMSセンサを利用した構造物のモニタリングシステム「T-iAlert Structure」の話題です。

MEMSセンサとは?

MEMS(メムス・Micro Electro Mechanical System=微小電気機械システム)は、スマートフォンの加速度センサーやジャイロセンサー、プリンターのヘッド、プロジェクターの光の制御デバイスなど、幅広い分野において必要不可欠なデバイスです。

このセンサを使用して、構造物の健全性を迅速に判断するというシステムになります。下図のように建物内に各種計測器を取り付けることで建物全体の状況がいち早く確認可能です。


出典:大成建設

大規模地震後の健全性を確認する用途で利用

この「T-iAlert Structure」ですが、構造物の劣化等を把握するものではなく、近年発生している大規模な地震などが起こった後の、建物の健全性を確認する為に使われます。地震の発生後に構造物の健全性を迅速に把握することで、その後に発生する可能性のある余震などによる二次災害を回避することができます。

今まででもこのMEMSセンサを用いた方法で、健全性の確認をおこなう方法はあったようですが、センサに配線を施す必要があったり数年毎のセンサの交換、メンテナンスが必要となる課題があったようです。

これらの課題を解決すべく今回新たに開発されたシステムでは、長期メンテナンスが不要なMEMSセンサを用い、配線も無線通信方式にすることで、より効率のいい管理ができるようになりました。勿論センサだけでなく、健全性の評価をおこなうシステム部分も肝となります。

T-iAlert Structureシステムの技術構成

1.MEMSセンサ技術(開発:横河電機株式会社
重力の100万分の1の加速度や、鋼材の10億分の1の長さの変化まで測定できる性能で、構造物に生じたわずかな変形や微小な振動の変化まで、長期に渡り正確に計測が可能。

2.無線通信技術(開発:長野日本無線株式会社
建物内部の壁、天井などに影響されにくい920MHz帯の電波を使って、無線通信をおこないます。また、複数のセンサから取得されたデータは、受信装置を介し診断用のPCに転送されます。

3.構造物の健全性評価技術大成建設株式会社東京大学
診断用PCで、センサの取得する観測データから、構造物の固有振動数やひずみ、傾斜角度を読み取り長期間に渡る変化を監視することが可能。震度3以上の地震発生時には、構造物の健全性を判定し、異常が認められる場合は損傷箇所を推定することが可能です。

 

驚くほど詳細な動きまで計測できるものですね。以前にこのブログで「産総研」さんが開発した、シート状の極薄MEMSセンサを使った「橋梁のひずみのモニタリングシステム」の紹介をしましたが、まだまだこのMEMSセンサには色々な用途が考えられそうですね。