こんにちは。本日は久しぶりに太陽が出ておりますが、それも1日持つことはなさそうで、まだまだ秋雨前線の影響が続きそうですね。雨も必要ですが現場スケジュールに影響が出るので楽観視できないのが辛い所です。

さて、本日は少し前にプレスされた情報になりますが、鉄筋コンクリート構造物の曲げ部分のひび割れを低減し、耐久性を向上させることに成功した技術のご紹介。「T-Crack Control Flexure」という名の工法で、大成建設さんの開発となります。

組み合わせによる曲げひび割れの低減

ボックスカルバート等の地下RC構造物では、躯体に常時土水圧が作用するために、設計で許容される範囲内のひび割れが生じます。このクラックの幅が許容値よりも大きくなってしまうと、水分が躯体に浸透しやすくなり、結果、内部の鉄筋腐食が発生。当然構造物の耐久性は著しく低下します。

ちなみにボックスカルバートというのは箱型暗渠(あんきょ)のことで、皆さんも目にしたことがあるかもしれません、上の画像のようなものです。主に排水等のための水路や管のことで、暗渠という名前からも地下に埋設されるものになります。地下に埋設なので、当然土水圧が作用します。

そんな常に過酷な環境下におかれている、ボックスカルバートのひび割れ対策として、従来の工法では主鉄筋の本数を増やして曲げひび割れ幅を抑制してきたそうですが、その工法の問題点は高密度配筋になり、鉄筋の組み立てやコンクリートの打ち込みが困難になってしまうという点でした。

そこで開発されたT-Crack Control Flexure

これはRC構造物の主鉄筋とコンクリート表面の間に、主鉄筋よりも細い、耐食性に優れたステンレス鉄筋やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を曲げ、ひび割れ制御材として配置することで、ひび割れ感覚を狭めると同時にひび割れ幅を低減するというものです。


出典:大成建設株式会社

特徴は以下

1.従来工法に比べ、断面寸法や主鉄筋量を増加させずに曲げひび割れ幅を低減。また、耐久力や剛性などの構造性能にも影響を及ぼさずに、RC構造物の耐久性を向上することが可能。

2.この工法を適用したRC構造物に、曲げひび割れ幅を定量的に制御し、ひび割れ幅の許容値を満たす鉄筋量を算定する「ひび割れ幅予測式」を用いることで、適切な鉄筋量を定めることが可能。

3.従来工法よりも主鉄筋の段数や主鉄筋量を低減することが可能(コスト低減)。

大成建設さんでは土木・建築現場を問わず、常時土水圧など外力が作用し、耐久性の向上が求められるRC構造物に対し、この工法を積極的に活用されるとのことです。

sugiyama
主鉄筋を増やすのではなく、ステンレスやCFRPをかますだけで、主鉄筋を増やす方法よりもひび割れ間隔や幅を小さく抑えることができるのは驚きですね。
sugiyama
耐久性の向上に主鉄筋量の大幅低減はコスト的メリットもあり、この工法を使わない手はないと言えるだろう。