こんにちは。本日は国交省が発表した2018年度予算の内容についての話題。

先日発表された国交省の2018年度予算概算


出典:日経コンストラクション

注目すべきは、建設現場の生産性向上を図るための施策、ブログでも度々話題にしている「i-Construction」の推進予算が、2017年度当初予算比で33億円と、5倍もの大きさで計上されています(日経コンストラクション作成資料より)。人工知能やロボットをはじめとする新技術導入に向けた取り組みを拡大させる目論見です。

昨年から国交省がi-Constructionによる業界の働き方改革に本腰を入れている、ということは以前から話題になっていましたが、予算にもその本気度が現れていますね。

i-Constructionって簡単に言うと建設業界にITやAI技術を導入して効率化・生産性向上を図るものって事でしょ? そうです。それも間違ってはいません。頭に「i(アイ)」って付くのでIT系だけのイメージがありますが、実はi-Construstionの取り組みはそれだけではありません。

i-Constructionのおさらい

国交省が本格的に推進しているi-Constructionですが「トップランナー施策」という以下の3つの施策を定めています。

1.ICTの全面的活用(ICT土木)
2.規格の標準化(コンクリート工)
3.施工時期の平準化

この中で一般的なイメージとして強いITやAI技術が関係しているのは、1番の「ICTの全面的活用」のみです。後の2つはICT技術とは直接的に関係ないものです。

まず2番の「規格の標準化(コンクリート工)」ですが、これはコンクリート工全体の生産性向上を図るための施策で、以下の4点の検討を進めるものです。

①ユニット鉄筋などの活用による現場作業の屋内作業化、定型部材の組み合わせによる施工への転換を図るため、部材の規格の標準化を検討。

②新技術の導入や施工の自由度を確保するため、仕様規定ではなく創意工夫が活用できる性能規定型の規格への転換、性能規定とした場合のコンクリート構造物の検査方法を検討。

③工期の短縮や安全性、品質向上など、コスト以外の観点で優れ、生産性の向上に資する技術、工法の採用を進めるため、これらの性能を総合的に評価する手法を検討。

④コンクリート工において、調達・製作・運搬・組み立て等の各工程の改善、より効率的なサプライチューンマネジメントの導入を検討。

 

以上の4点が「規格の標準化」の目指す所です。
基本的にコンクリート工に対してのみの物です。これはコンクリート工の生産性は30年前から殆ど進展していないにも関わらず、従事している技能労働者は全体の40%を占めている、という事実から優先的にしていると考えられます。

③番の「施工時期の平準化」ですが、これは2ヶ年国債の活用等で閑散期の4~6月、年度末の繁忙期を解消し、資機材・人材の効率的な活用を図ると共に、労働環境の改善を図るものです。


出典:建設総合ポータルサイト けんせつPlaza

これまでは発注年度で事業を終えなければ、という既成概念があり、年度内に完了させるために人材・機材を無理をして投入するというやり方がなされてきました。それを無理をして年度内に完了するということを無くす、一点集中を均すことで適正な工期を確保し、人材・機材の投入を平準化するということです。

よくICTやAI、ドローンなどの技術的話題を出しますが、それらはほぼ1番の「ICTの全面的活用」に該当するということになりますね。

以上がi-Constructionの中身です。そもそもこれを実施する目的には、人手不足や3Kと言われる業界のイメージからの脱却という背景があります。日々ドローンやICT建機、ICT建機技術関連の話題が豊富にありますが、実際に現場レベルに導入するには様々なハードルが在るのも事実。

予算面や、ドローンなどは法的な部分の整備も必要になると思います。ですので、これらがすぐに解消するということは難しいと思います。

しかし、国交省はじめ関係各省庁が本腰を入れていることもあり、民間でも導入や開発に動いているのは確かです。この業界はまだまだ旧態然とした部分が多分にあり、最新の技術による恩恵を受けやすい業界だと感じています。

着々と進むi-Constructionの施策。まだまだ2年目。業界のイメージや働き方が変わるのはそう遠くないかもしれません。