耐震、免震、制震から収震へ。SRF工法とは?

こんにちは。本日は弊社でも取り扱っている工法のひとつである「SRF工法」を改めてご紹介したいと思います。

SRF工法とは、新しい耐震補強工法のひとつで、構造体に鉄を足したりコンクリートを足すというものではなく、しなやかで切れないポリエステル製のベルトやシートを、構造体の柱、壁、梁、接合部等に貼り付けたり巻きつけることで補強を行う工法です。

震度7クラスの揺れを数回加えても倒壊しないだけでなく、地震の揺れも抑えられることが振動台実験等で確認されています。実際に、東日本大震災の発生時、には関東北部から東北地方の震度6以上の地域に約60件のSRF工法の施工実績がありましたが、何か大きな問題が生じた事例はなく、「あまり揺れなかった」「仕上げの被害もなかった」などの反響がありました。

震度6以上が複数起こった平成28年の熊本地震でも、7件の実績の全てで部材の損傷が抑えられ、建物の使用を継続できることが確認できました。

具体例

さくら野百貨店 仙台店
さくら野百貨店では柱・壁のSRF工法の補強と、若干のRC壁増設を行っており、その甲斐あって3.11の震災では被害は最小に留まり、仙台市内の百貨店で最も早くフルオープンすることができました。その直後の大きな余震でも、周囲のビルが大被害を受けていた中、問題なく営業を継続することができました。

仙台駅前 東洋ビル
仙台駅前の東洋ビルでは、SRF工法による柱補強と壁補強だけでIs値の基準値をクリアする補強を行っていました。補強前に起きた地震では壁・梁・柱に大きなひび割れが多数発生する被害を受けましたが、3.11の震災では、ほとんどひび割れを生じず、地震直後から使用継続することができました。

仙台市郊外金物店
仙台市郊外の卸町にある金物店は、1階部分をSRFの工法で補強していました。この地域は地震で多数の建物が崩壊した激震地区でしたが、3.11の本震と度重なる余震の中でも営業を継続することができています。

仙台市内マンション
Is値にはこだわらず、倒壊防止を目的にピロティ部分の柱をSRFの工法で補強していました。周囲の多くのマンションが廊下の壁に大きな亀裂を生じて崩落している中、ピロティはもとより上層階の被害もほとんどなく、住民の方々からご好評を頂きました。

SRF工法の収震効果。収震:地震の揺れを自然な変形により収める

地震が起こると、地面はその位置と向きを大きく変えます。従って地面の上に建っている建物やインフラ施設などの構造物が、揺れを小さくするためには、下図の青線で示したように大きく変形する必要があります。

しかし、従来は揺れや被害は構造物の変形によって生じると信じられていたため、そこから柱を太くして耐震壁をいれたり、免震・制震装置を用いて変形を小さくするという耐震基準が作られています。ところが、図の赤い線で示されたように、地震を受けた時にほとんど変形ができないと、地面と同じように大きく激しく揺れてしまい、建物内の人や設備の損傷は免れない事態となります。さらに、地面と一緒に動こうとするので、大きな力を受けて弱いところから壊れてしまいます。

東日本大震災や熊本地震では、耐震基準を満たしているとされる建物や、耐震補強済みの建物の内部が散々たる状況となり、あちこちに大きな亀裂が入ったという多数の報告もされています。

壁や装置などで変形を抑えようとすると、大地震の場合では大きな揺れと力を生じてしまい、被害が生じることは下図の空から地面と構造物の両方を見れば一目瞭然です。しかし、従来は地面の上から構造物を見て設計していたので気付かなかったようです。

物には力が加わっても元の位置に留まろうとする慣性と呼ばれる性質があります。また、自然な形に変形して力が抜ければ元の形に戻る弾性という性質もあります。これによって地面も構造物も元の位置の周りで常に振動しています。

地震によって地面がもとの位置から大きく激しく動いても、構造物が自然な振動を続けられればそれほど揺れずにすみます。これはしなやかな材料でコンクリートの柱や壁、木造の接合部をSRF工法で実現できることが、理論・実験と実測で確認され、近年の地震で実証されています。

地面からきた地震エネルギーは構造物を壊す力に変わることはなく、反射して地面に返っていきます。地震が終われば揺れは自然に収まります。これを「収震」と呼んでいます。

変形を抑えようとする従来の耐震、免震、制震とは違い、自然な変形で揺れを収めることができるSRF工法。また、SRF工法は、万一地面が想定を超えるような動きをした場合でも、柱が床を支持し続けて倒壊の危険性を減らすフェイルセーフ効果もあることが実験で確認され地震で実証されています。

 


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