記事のポイント

・株式会社大林組(以下、大林組)は、自律走行する無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)を複数台連携することで、現場規模を問わずに対応できる資材の自律搬送システムを開発したと発表した。

・このAGVは同社が2015年に開発したものを、さらに効率化するべく米国のSRI International※と共同で、障害物を回避しながら搬送先まで走行する自律搬送機能を付与したものとなる。

※SRI International
世界で最も大きな非営利独立研究機関のひとつ。大林グループとは建設技術の共同開発に関する戦略的パートナーシップを締結している。

仮設エレベーターへの乗降の自動制御を可能にし搬送効率が向上

大林組は、2015年に開発した工事現場での資材に活用する自律走行する低床式AGV(無人搬送車)に、複数台を連携することで工事現場の規模を問わずに対応が可能になるフレキシブルな資材の自律搬送システムを開発した。

同社開発の低床式AGVは、小型軽量で資材を積載した状態で仮設エレベーターに乗降できるため、資材の載せ替えをせずに資材ヤードから搬送先まで一貫した搬送が可能となっているのが特長だ。従来では3~4人の作業員が運んでいた資材が、オペレーター1人で安全に運ぶことが可能となった。

この低床式AGVをさらに効率化するために、同社は米国のSRI Internationalと共同で障害物を回避しながら搬送先まで走行する自動搬送機能を追加した。また、複数台の低床式AGVを連携させることで仮設エレベーターの乗降を制御できるため、無駄な待ち時間や昇降回数が減少することで稼働率も向上するという。


出典:大林組

システムの特長としては、2次元マーカーを読み取るだけで自律走行が可能な点。これは搬送先と経由地を座標指定するだけで、上部のセンサーヘッドのステレオカメラが、搬送経路に設置された2次元マーカーを読み取り自己位置を検出、自律走行を行う。また、走行中にLiDARセンサーが搬送経路上の障害物を検知し迂回するため、常時状況が変化する建設現場でも安全に使用可能だ。


出典:大林組

また、一般的なAGVが自律走行を行うには事前走行させた上で、搬送経路用の環境マップを作成する必要があるが、工事現場では進捗状況によるレイアウトが変化するために、その都度、事前走行させる必要があるため大きな負担となっていた。今回のシステムでは、設置した2次元マーカーの座標データを変更するだけで搬送経路の変更に即座に対応できるため事前走行は不要となる。


出典:大林組

階を跨いだ搬送においてもAGVが1台ずつ仮設エレベーターに乗車・昇降するように制御することによって、昇降階それぞれのエレベーター前に待機場所を設けることで3台が連携稼働する。AGV同士がすれ違える場所さえ設ければ建設現場の規模や資材量に応じてさらに台数を追加することも可能だという。稼働状況は端末で監視できるため、オペレータ1人でこれらすべてのAGVの稼働状況を管理可能となっている。


出典:大林組

 

同社では今後、このAGVを同社の建設現場に導入し、多くの資材を効率的に運搬できるように開発を進めていくとのこと。また資材搬送に限らず様々な建設ロボットが自律的に稼働・施工を行う将来に向け、さらなる自律制御技術の研究開発を行っていくとしている。

 


□株式会社大林組
低床式AGV(無人搬送車)を複数台連携させる自律搬送システムを開発
リリース記事:https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20211011_1.html

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