記事のポイント

・大成建設株式会社がパブリッククラウドプラットフォームの「Microsoft Azure」で、設計施工に活用しているBIMデータと建物の運用管理情報を組み合わせた「サービス用BIM」に、竣工後に蓄積していく各種データを紐付ける「LifeCycle OS」を開発。実装提案を開始した。

・「LifeCycle OS」を適用することで、ニーズに合わせてリアルタイムに建物情報を建物の利用者や管理者などに提供し、各種デジタルデータを有効活用(運用状況をリアルタイムに見える化・空調の最適制御をリアルタイム実行等)する仕組みを構築できる。

ニーズに合わせリアルタイムで活用できる建物情報の構築

大成建設株式会社(以下、大成建設)は、これまで設計施工に活用しているBIMデータと建物の運用管理情報を組み合わせてカスタマイズされている「サービス用BIM」に、竣工後に蓄積していくIoT管理・ロボット管理・施設管理・エネルギー管理などの各種データを紐付ける統合管理システムの「Life Cycle OS」を開発。実装提案を開始した。業界初となるこのシステムはMicrosoftのパブリッククラウドプラットフォームの「Azure」で構築されている。

これまで建物の建設時や竣工後に建設会社から提供される設計施工に係る各種データは、それぞれが個別に計測・数値化されているために、建物全体の情報として運用に活かすためには、時間と人手をかけてデータの再統合を行う必要性があったという。

そのような現状の中、大成建設は2019年から運用している「Microsft Azure」上で「LifeCycle OS」の開発を進めてきた。このシステムの適用によって、ニーズに合わせてリアルタイムに建物情報を建物利用者や管理者等に提供し、建物に係る各種デジタルデータを有効活用できる仕組みを構築する。

「LifeCycle OS」特徴

1.ニーズに沿ってユーザーの建物情報と各種データを連携
「サービス用BIM」と外部の任意データをAPIで「Microsoft Azure」と連携させることで、ニーズに合わせた最適データとして提示することが可能。「サービス用BIM」を基盤とする統合データには、自治体からの情報や気象・交通情報などのオープンデータと既存汎用アプリケーションとの連携も可能となる。


出典:大成建設

2.現実空間と仮想空間を結ぶことで、時間や場所を選ばないコミュニケーションが可能に
統合情報をデジタルツイン化することで、状況に応じユーザーが望む最適化管理・運用情報を、時間や場所を選ばずリアルタイムに提供可能。

3.運用管理だけでなく将来計画にも活用できる建物情報を構築
大成建設では今後、AI活用を踏まえた新築・既存建物への運用を想定し、用途ごとにソリューションサービスをパッケージ化する。ユーザーニーズに合わせたARやVR等の任意情報も加え、今後の建物運用、リニューアルなどにも活用できる最適な情報サービスを提供していく。

「LifeCycle OS」の活用例

・商業施設にセンサーを設置し、施設の全体から各テナントまでの人の動きを時間軸上に記録。それをBIM情報と連携させデジタルツイン化することで、運用状況をリアルタイムに可視化。

・生産、物流施設などでは生産機械の稼働状況やロボットの動きを統合管理することで、施設全体としての運用を最適化し稼働効率を高める。

・各種施設において、エネルギー情報管理をBIMと統合することで、エネルギーの見える化による管理や人の集まり具合に合わせた室温や換気などの空調の最適制御をリアルタイムに実行。


出典:大成建設

今後、大成建設では「LifeCycle OS」の実装を通じ、建物所有者の事業・ワークスタイルの変革を導き出すデータを提供し、建物利用者が求める情報をパッケージ化して、建物所有者にリアルタイムな情報提供ができるサービスを提案していくとのことだ。


□大成建設株式会社
業界初 BIMと建物の運用管理データを統合管理する「LifeCycleOS」を開発
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/210201_5074.html