こんにちは。昨今のIoTやロボット、AIなどのテクノロジーは社会のあり方に影響を及ぼす技術であり、それをまちづくりに取り込み、都市の課題解決を図っていくことが求められています。

国交省ではこれらの新技術を活用しつつ、まち全体の最適化が図られた持続可能な都市を「スマートシティ」と定義し、その実現に向けた取り組みが進められています。そのひとつに「スマートシティモデル事業」というものがあり、これは官民共同でAI、IoT等の新技術やデータを活用しつつ都市や地域課題を解決していくというプロジェクトです。

スマートシティプロジェクトは全国の主要都市等が選定されており、「羽田第一ゾーンスマートシティ推進協議会」では、鹿島建設株式会社をはじめとする9社が出資し設立された「羽田みらい開発株式会社」が、このスマートシティモデル事業において、「先行モデルプロジェクト」として選定されたとのこと。

羽田みらい開発株式会社 出資企業9社
鹿島建設株式会社・東日本旅客鉄道株式会社・大和ハウス工業株式会社・東京モノレール株式会社・京浜急行電鉄株式会社・野村不動産パートナーズ株式会社・日本空港ビルデング株式会社・富士フィルム株式会社・空港施設株式会社

先端的技術の早期実装に向けた実証実験が9/18より始動

「羽田第一ゾーンスマートシティ推進協議会」は、官民連携の下、大田区の抱える多様な地域課題を解決し、持続可能な都市とするための実証的取組を行うテストヘッドとして、3つの方策を定めているとのこと。

スマートシティの主な取組み概要

方策1.空間情報データ連携基盤の構築

BIMを活用したデータの統合・可視化・分析が可能な「空間情報データ連携基盤」を構築し、先端的技術の協調領域として活用。


出典:国交省

方策2.多様な交流を生み出す仕組みづくり

協議会メンバーが先進的技術の実証・実装を行うと共に、HICityを先端的技術の実証フィールドとして広く提供することで、協議会外からも実証実験等を行うプレーヤーを積極的に誘致。

多種多様な先進的技術の実証・実装を本区域で行うことで強力な情報発信を行い、さらに多くの実証・実装の誘発や産業交流の機会を創出。


出典:国交省

方策3.大田区が直面する課題に応える4つの取組展開

大田区が直面する課題である「交通(交通弱者への移動支援)」「生産性向上(担い手不足)」「観光(観光資源化)」「健康(未病取組)」の解決に資する取組みを展開し、早期サービス実装を目指す。


出典:国交省

今後の主な取組み

上記の方策から、実装に向けた実証実験が9月18日より始動します。BIMデータを活用した空間情報データの連携基盤や、スマートモビリティ、ロボティクス、ツーリズムなど内容は多岐にわたります。ここではその一部をご紹介したいと思います。

空間情報データ連携基盤

◆人流・モビリティ・ロボット等の施設内リアルタイム情報の可視化

実施期間:2020年9月18日(金)より稼働開始
実施主体:鹿島建設株式会社
実施内容:施設内に約400個のビーコンやセンサーを設置し、スマートデバイスを通じて人流データや各種モビリティ・ロボット等の位置情報等を取得。

同社が開発したBIM等の空間情報を基盤とした「3D K-Field」を活用し「空間情報データ連携基盤」へ表示することで施設管理業務の効率化やサービスの高度化を図る。


出典:国交省

◆IoTを活用したトイレの空き状況表示

実施期間:2020年9月18日(金)より稼働開始
実施主体:株式会社バカン、鹿島建設株式会社
実施内容:施設内のトイレ個室について、センサーを使用した空室情報の配信を行うとともに、インフォメーションセンター内に設置のデジタルサイネージへ表示することで、混雑を避け安心して施設を利用可能。


出典:国交省

スマートモビリティ

◆国内初。特別装置自動車を自律走行バスとして定常運行

実施期間:2020年9月18日(金)より稼働開始
(各日予定 10:30~13:30、14:30~16:30)
実施主体:羽田みらい開発株式会社、BOLDLY株式会社、株式会社マクニカ、日本交通株式会社
実施内容:運転手不足等の課題解決に向けて、施設構内循環バスとして認められた「NAVYA ARMA」で特別装置自動車が自律走行バスとして定常運行するのは国内初の取組みとのこと。


出典:国交省

◆歩者混在空間における自律走行低速電動カートの走行

実施期間:2020年9月18日(金)~22日(火)、24日(木)~26日(土)
2020年10月1日(木)~3日(土)、8日(木)~10日(土)
※各日10~12時、13~17時
実施主体:羽田みらい開発株式会社、株式会社マクニカ、Percept In Japana合同会社
実施内容:新たな交通手段の確保を目指し、施設2階デッキ内の2地点を結ぶ自律走行低速電動カートを導入。施設内における移動利便性の向上や自動運転車両に対する社会受容性の向上に向けた検証を実施。


出典:国交省

スマートツーリズム

◆アバターロボットを活用した遠隔観光体験サービスの展開

実施機関:2020年9月18日(金)~22日(火)※各日10~17時予定
実施主体:avatarin株式会社、鹿島建設株式会社
実施内容:移動が制約されているコロナ禍において、アバターロボットを活用することで、遠隔地での観光や見学体験を可能とすべく、実証実験を実施。施設内で実施予定のイベントにもアバターロボットで参加可能な体験を提供し、今後実装に向けて技術検証を実施。


出典:国交省

スマートロボティクス

◆アバターロボットを施設管理業務へ活用

実施期間:2020年9月18日(金)~22日(火)※各日10~17時予定
実施主体:avatarin株式会社、鹿島建設株式会社
実施内容:遠隔からの移動操作とコミュニケーション可能なアバターロボットを構内の警備や配送業務へ活用すべく、実証実験を実施。特に構内配送についてはavatarin株式会社初の取組みとして配送ロボットとの連携を通じたサービスの高度化を図る。


出典:国交省

まとめ

スマートシティプロジェクトの先行モデルプロジェクトの対象区域は全国に15ヵ所、重点事業化促進プロジェクトの対象区域は23ヵ所選定されています。

国交省先行モデルプロジェクト概要:https://www.mlit.go.jp/common/001291681.pdf

対象区域によって当然抱えている課題にも違いがあることから、それぞれの取組み内容にも特色があり、実際の実施状況を見てみたくなりますね。

今回ご紹介したプロジェクトは9月18日(金)からということで、もう間もなくです。まずは実証実験という形ですが、着実にスマートシティの実現に近づいている印象です。