こんにちは。建設現場などで活用するARデバイスとして最も注目度が高いデバイスと言えばMicrosoftのHoloLens。3Dモデルや図面等を現場でそのまま実寸大で簡単に重ね合わせられるというのが特長です。

そのHoloLensのARとクラウドサーバーを組み合わせた、現場での3D設計データの管理・運用を効率的にできるというクラウドサービスが「株式会社ニコン・トリンブル」よりリリースされています。

HoloLens用3Dモデル運用ツール「Trimble Connect for HoloLens」

測量・測位ソリューションの開発や製造・販売を行っている同社は、現場用のMixed Realityデバイスの「Trimble XR10※」を効率的に活用するためのクラウドサービス「Trimble Connect for HoloLens(TCH)」を先月末からリリース。


出典:PRTIMES

米国のTrimble社が長年に渡る建築分野で得た経験を基に開発したクラウドサービスで、3D設計データを現場でスムーズに管理・運用ができるサービスとなっています。

ちなみに「株式会社ニコン・トリンブル」社は、カメラメーカーのNikonと、米国の大手測量機器メーカーのTrimble Incの合併企業です。

※Trimble XR10とは、工事用ヘルメットとHoloLens2が一体化した形の建設現場等で活用できる形に特化した同社のオリジナル製品です。

開発背景

建築分野において一貫したBIMモデルの運用、推進が求められるようになってきていますが、「3Dモデルを現場で活用したい」という現場担当者の声があるにも関わらず、施工前の図面チェックだけでなく実際の施工への活用は難しいとされてきているのが現状です。

そこで「Trimble XR10」と「Trimble Connect for HoloLens」を用いることで、BIMデータをクラウド上で自動変換、3Dモデルを現場に配置することで、以下が可能となります。

①設計データと現実空間との比較による干渉チェック
②オンタイムの情報共有
③施工手順の3D表示
④現場と現場、並びに現場とオフィスのコラボレーション

これらサービスが可能となることで、施工の進捗確認や品質管理作業が全て現場で完結することができます。

Trimble Connect for HoloLensの概要


出典:PRTIMES

このサービスの特徴として、オフィスで3D設計データをクラウドにアップすると、TCHが自動でモデリングデータに変換します。そのモデリングデータを現場のTrimble XR10で現実空間に重ね合わせることで、作業員のトレーニングを始め、人や機材の導入経路の確認、作業の優先順位付け、設計図に従った施工の確認、組立・組み込みの遠隔指示、タスク管理など、施工品質の向上への活用が可能に。

現場用ツール特徴

1.設計データと現実空間との比較による干渉チェック

施工前にTrimble XR10で3Dモデルを見ながら空間把握や課題抽出を行うことができ、手戻りの低減や防止に貢献。更に鉄骨などの躯体や仕上げ等の建築工事とダクト・配管等の設備工事における現実空間に3Dモデルを重ねて表示することで、相互に干渉しないかなどの確認作業を省力化します。


出典:PRTIMES

2.オンタイム情報共有

現場で抽出されたタスクをTrimble XR10を通じてクラウドにアップすることが可能。その際にタスクの期限や詳細の追加、作業員やオフィスのスタッフの中から必要メンバーを選択してすぐに情報伝達することが可能です。これによって無駄な情報のやり取りが削減され、計画に沿ったプロジェクト推進が可能になります。


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3.施工手順の3D表示

現場の施工手順を3Dモデル表示することで、施工がスケジュールに沿って進んでいるかを確認可能。施工手順を段階的にチェックすることでプロジェクトの遅れを回避し、BIMデータ活用のメリットを提供します。


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4.現場と現場、現場とオフィスのコラボレーション

Trimble XR10同士でコラボレーション機能を用いることで、現場で抽出した問題に対し作業員だけでなくオフィスで働くメンバーに対して情報共有が行えます。離れた場所にいても現場作業員の操作画面がTrimble XR10を通して視認できるので、手順の確認・指示が効率的に進み、施工計画遅延の回避に貢献します。


出典:PRTIMES

モバイルでの活用も可能「Trimble Connect for Mobile」

モバイル版のアプリケーションを使用することで、携帯でも3Dモデル等の資料の確認・タスクの確認追加が可能。モバイル版で表示できるQRコードを使用することで、Trimble XR10からTCHへのQRコードを使用したログインが可能になります。


出典:PRTIMES

まとめ

i-Constructionや働き方改革により、BIMや3Dモデルの活用は推進されていますが、なかなか活用しきれていなかったり、どう活用していけば良いのかいまいち分からないという方も多いのが現状です。

今回のサービスは、3次元設計データを活用している企業にとってはとても便利なソリューションになっていると思います。金額的にも年間198,000円と比較的安価な部類ではないでしょうか。

しかし3次元データという所で、そもそもそれを扱うソフトウェアが高額であったりする部分で「費用対効果が見込めない」と否定的になってしまったり、それをすぐに扱える技術者を迎えたり育成していかなければならないという部分も普及の阻害要因となっているかもしれません。

現状ではゼネコンには当たり前に浸透してきているものの、業界としてはまだまだという感じは否めません。今回のような便利なサービスは数多くあり今後も益々増えていくでしょう。それらを活用し効率化を図り変革を遂げていくためにも意思をもった導入への取り組みが必要と感じます。