こんにちは。ひび割れの自動検出を可能にするソフトウェアは、ここ数年でAIを活用したものなど様々な企業から多く登場してきました。

その中でも元々医療用の画像診断技術に長けている「富士フイルム」が提供するAI画像解析の「ひびみっけ」というサービスは、医療分野において毛細血管を検出する用途で開発された技術をもとにしています。

大林組がこの技術と特殊な高性能カメラを組み合わせて行った試験では、0.05mm以上のひび割れを100%検出し、近接目視との適合率は90%以上という結果が得られたそうです。

この度、その「ひびみっけ」にまた新たな機能が実装されたとのことで、そちらをご紹介したいと思います。

ひびみっけとは


出典:富士フイルム「ひびみっけ」

業界初の剥離・鉄筋露出、漏水・遊離石灰をAIで自動検出

同社は、AI活用の画像解析によってインフラ構造物の損傷を自動検出する社会インフラ画像診断サービスの「ひびみっけ」の機能をさらに拡張。

従来の「ひびわれ検出」に加え、新たな機能として「剥離・鉄筋露出」「漏水・遊離石灰※」を自動で検出可能な機能を実装し、2020年7月22日より提供が開始されます。(※ひび割れ等でコンクリート表面に出る酸化カルシウム等の成分)

尚、AIにより「剥離・鉄筋露出」「漏水・遊離石灰」が自動検出できる機能は業界で初とのこと。


出典:富士フイルム「ひびみっけ」

背景

国内では高度経済成長期に建設された橋梁やトンネルなどの社会インフラの老朽化が進んでいることから、国や自治体では社会インフラの定期点検の義務化、そしてその点検内容の厳格化を進めています。

現在の点検業務では、近接目視による損傷確認、写真撮影やスケッチによる記録、報告書作成などがあり多くの作業時間を要しているのが現状です。また昨今の人材不足問題から点検技術者も不足しており、点検業務の効率化に対するニーズは高まり続けています。

ひびみっけの開発

同社では、医療用の画像診断システムで培った高精度な画像解析技術を活用した「ひびみっけ」を開発。同サービスはサーバーにアップロードされた橋梁やトンネルなどの撮影画像から、①複数枚の画像合成 ②AIを活用した画像解析による損傷検出 ③検出結果のデータ化、などを自動で行うクラウドサービス。

まずは「ひびわれ」を対象としたサービスということで2018年4月より提供されています。

機能の拡張

そして今回「ひびわれ」と同様に、国交省の橋梁定期点検要領で点検対象の損傷として定められており、数の多いという「剥離・鉄筋露出」「漏水・遊離石灰」の自動検出機能を拡張機能として搭載。

これによって「ひびみっけ」はコンクリート表面の剥離や剥離後に露出する鉄筋だけでなく、ひびわれから発生する漏水・遊離石灰、錆汁までも自動検出することが可能となりました。

また、損傷箇所の面積を自動計算でき、点検現場での損傷の確認・記録から報告書作成にかかる作業時間を短縮できます。


出典:富士フイルム「ひびみっけ」

ちなみにこの「ひびみっけ」は、国交省や橋梁調査会より性能評価を受けており、NETISにも登録されています。2020年6月には国交省作成の「点検支援技術性能カタログ(案)」にも掲載。カタログ内の新技術の中でも、低コストでドローン撮影との連携も可能であることなど活用しやすく、点検業務のさらなる効率化への貢献が期待されているとのこと。

まとめ

「ひびみっけ」は基本的にクラウドサービスとなっており、撮影した写真をアップロードすることでAI解析により幅0.1mm以上のひびわれを検出するものですが、今回の機能拡張により剥離や漏水状況なども自動検出可能になります。

とは言えそれら全てを同時に検出する訳ではなく、勿論そこはユーザーが目的に応じて「ひびわれ」なら「ひびわれ」だけという風に、必要な検出項目を選択することができるようになっているのもポイント。

また、アップロードされたデータからオルソ画像を得たり、DXFデータとして出力できたりと、ただひび割れを検出するだけではない、あると便利な機能も実装されているのは嬉しいですね。

◆富士フイルム「ひびみっけ」
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