こんにちは。建設現場の作業の中でも建築資材などの搬入、運搬作業は多数の人の手を必要とし内容も重労働なものとして効率化が求められている作業でもあり、昨今、ゼネコン等では「AGV」を用いて、この搬送作業を省力化する動きが進んでいます。

AGVとは無人搬送車のことで、運転操作をおこなうことなく自律的に走行できる搬送車のことを主にAGV(Automatic Guided Vehicle)と呼びます。

一昨年に「戸田建設」が開発したAGVをご紹介しましたが、今回そのAGVがさらに改善されたとのことでそちらをご紹介したいと思います。

現場の資材搬送を省力化する自律走行AGV

2018.08.09

工事用エレベータとAGVを連動させた垂直・水平自動搬送システム

戸田建設は、前述の水平自動運搬システムに工事用エレベーターを連動させた、垂直・水平自動搬送システムを開発。これまで活用してきた水平搬送AGVの「T-CART(ティーカート)1000」では、建築資材等の同一階の自動搬送を可能としていました。

今回の改善されたAGVでは、上下階の揚重も自動化が可能になったことで、建設現場での揚重・搬送作業の省力化を進め、作業効率を大きく改善させることが可能となります。


出典:戸田建設

開発背景

従来の建設現場における建築資機材の搬入では、搬入車両からの荷下ろしをはじめ、工事用ELVによる目的フロアへの揚重、目的フロア到着後の所定の位置への移動のすべてが人の手で行われてきています。

これら運搬作業は重労働となり、多くの人手を必要とする作業です。建設業界では作業員の減少や高齢化が進んでおり、作業の省力化は喫緊の課題となっています。

システム概要

開発されたシステムでは、工事用ELVと「T-CART1000」を連動させることで、搬入された建築資機材を積込み階の仮置き場から搬送階のストックヤードまで搬送します。


出典:戸田建設

システム利点

・仮置き場から搬送階のストックヤードまでの搬送作業を自動で行うことで、作業に必要な手間とコストを大幅削減。

・積込み階と搬送階に「T-CART1000」を配置し、それぞれが工事用ELVと連動することで、工事用ELVの待機時間の短縮につながり、搬送作業の効率化も図ることが可能。

・夜間など、他の作業が止まっている時間帯を利用し、搬送作業を済ませておくことで、作業所全体の作業効率と安全に貢献。

システムフロー

①積込み階の仮置き場に置かれた建築資機材の、サイズや搬送階、搬送先などの情報を、RFIDタグから読み取り。

②積込み階のT-CART1000が、仮置き場に置かれた建築資機材を工事用ELVに載せます。

③建築資機材を載せた工事用ELVが搬送階まで移動。

④送階のT-CART1000が工事用ELV内の建築資機材をストックヤードまで搬送。建築資機材が運び出されると工事用ELVは積込み階へ戻ります。


出典:戸田建設

まとめ

従来の台車を使った人の手による作業では、大体3~5人の人手が必要だったそうですが、T-CART1000の運用だけで自動化できます。以前のT-CART1000では別階層への移動まではできませんでしたが、それも可能になったとのことでさらなる省力化を実現しています。

このシステムですが、さらなる改良を加えた上で社外への展開も目指しているとのこと。最大5人ほどが時間をかけて重労働をしていた訳ですが、それがなくなることで得られるメリットはかなり大きいでしょう。