こんにちは。昨今ではディープラーニング技術等を活用して、コンクリート構造物のひび割れの解析、舗装道路メンテナンスの効率化、風力発電ブレードの調査…等々、AIを活用した診断技術が少しづつ増えてきています。

本日は、また新たにコンクリート橋梁などの点検業務の省力化を可能にするAI診断システムが登場したとのことで、そちらをご紹介したいと思います。AIを用いた橋梁の点検サービスといえば、昨年デンソーが独自UAVとAIを用いたサービスを開始されていました。

デンソーが独自UAVとAIを用いた橋梁点検サービス開始

2019.10.31

橋梁点検業務の省力化と品質向上をAIで実現「Dr.Bridge™」

この度「日本ユニシス株式会社」「日本海コンサルタント」と共同で、コンクリート橋梁などの点検・診断業務の省力化と品質向上を実現する「Dr.Bridge」の提供を6月より開始したとのこと。

背景として、年々老朽化が進んでいる橋梁やトンネル等の道路構造物の点検・診断において5年に1度の目視点検が義務化されていますが、近年では熟練技術者の不足が社会的な課題となっています。

そこで開発された「Dr.Bridge」では、カメラで写真を撮影し簡単な情報を入力するだけで、AIが橋梁の劣化要因や健全度を診断できるサービスとなっています。同社ではこのサービスを通して、点検・診断における人手不足問題を解消し、社会課題の解決を目指すとのこと。


出典:日本ユニシス

Dr.Bridgeの概要

全国の橋梁点検現場では、橋梁の老朽化が進んでいますが膨大な橋梁数に対して、点検できる高度な技術をもつ技術者の不足が問題となっています。

このサービスでは、登録された画像データと橋梁の部材やクラックの幅などの諸元データを組み合わせて、ディープラーニングを行うという独自技術によって、高精度な判定を実現しているとのこと。

Dr.Bridgeでは、人の認識・判断を再現する空間認識プラットフォーム*1の「BRaVS Library」と「BRaVS Platform」を活用。

空間認識プラットフォーム「BRaVS Library」「BRaVS Platform」とは

「BRaVS Library」「BRaVS Platform」は、平面の画像だけでなく、3Dデータや4Dデータを扱うことが可能で、対象物に関する付加情報(地域・季節・時間帯・気温・音等)を含めたディープラーニングによって、総合判断が可能になるプラットフォーム。

提供されるサービスは以下

1.基本診断サービス
橋梁単位で業務・橋梁情報・点検写真などの登録・管理、劣化要因および健全度のAI自動診断、診断結果の保温・出力、点検調書の出力など、定期点検業務を支援。

2.簡易診断サービス
点検写真の登録、劣化要因および健全度のAI自動診断、診断結果を出力。

特徴と導入効果

1.判定の精度確保
日本海コンサルタントとの数年にわたる共同研究によって、技術者による診断と同程度の精度を実現。

2.コスト縮減・省力化
橋梁点検業務において高度な知識を必要とする劣化要因と健全度の判定を自動化し、若手技術者でも実施可能な作業範囲を拡大できる。また、点検調書の自動作成により診断後の業務負荷を低減し業務効率化を実現。

まとめ

つい昨日から開始されたこのサービス。構造物の中でも橋梁だけの点検に絞ったものとなっており、同社では今後の5年間で全国7万橋梁への適用を目指しているとのこと。


出典:国交省

国交省の資料では、橋梁の5年毎の点検に関しては国交省管理、地方公共団体管理のものも、1巡目は点検は概ね終了しているということですが、当然今後も続いていくものなので、今回のような技術で早急に補っていくことが求められます。

そして点検もそうですが、その点検から次の点検の5年以内の修繕がおいついていかないことには厳しい状況は続きそうです。