こんにちは。地球の温暖化対策の為に「CO2を減らせ」とはよく聞きますが、では実際どんな状況なのでしょうか?国内の事務所や商業施設などの、いわゆる業務部門の建物からのCO2排出量は、2016年度の時点で国全体の約2割を占めているそうです。


出典:環境省「国内の総排出量(速報値)」

1990年度以降の経済成長に対して、産業部門からのCO2排出量は17%減少したそうですが、業務部門からのCO2排出量は66%増という大幅な増加になったそうです。その排出量は2億1,400万tCO2。

この業務部門のCO2の増加率が他部門と比較してもかなり顕著なということで、徹底的な省エネの推進と再生可能エネルギーの活用でCO2を削減することが喫緊の課題になっています。

ちなみに2030年までに達成すべきCO2削減目標が掲げられており、業務部門においては2013年度比で約4割を削減することとなっています。

この目標を達成するための具体的な方策の1つとなっているのが「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」です。本日はそのZEBにて「東急建設株式会社」が国内トップレベルのエネルギー削減を実現したという話題。


出典:環境省

ZEB(ゼブ)とは
Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略。快適な室内環境を実現しつつ、建物消費一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

ZEB化改修後2年間の実証成果

東急建設は、2018年3月にZEB化改修を完了した技術研究所において、改修後2年を経た2019年度の実績値が対基準値で国内トップレベルの78%のエネルギー削減を実現したとのこと。

同社では、築25年が経過した技術研究所を、2016年8月から管理研究棟のZEB化に向けた改修に取り組んできていました。


出典:東急建設

建築物省エネルギー性能表示(BELS)では、一次エネルギー消費量の削減率が60%となり、ZEB Readyの第三者認証を取得し、2018年度より本格的な運用を開始。

BELSとは
建築物省エネルギー性能表示のことで、新築・既存の建築物において省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度。
ZEB Readyとは
再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量から削減量50%以上の建物。さらに再生可能エネルギーを加えて75%以上ではNearly ZEB、100%以上をZEBといいます。

国内トップレベルの78%削減を実現

ZEB化改修後の技術研究所は「ゼロ・エネルギー・ビルのモデル建物」として外部に広く公開し、また用途別や個々の要素技術ごとにエネルギー消費の実態を細かく精査し、運用方法の見直しやシステムの修正を行ってきたそうです。

その結果、2019年度の最新の実績値では、創エネルギーを加えたエネルギー消費量は前年度から10%実績値を削減し、事務所の改修では国内トップレベルの78%を実現したとのこと。


出典:東急建設

ZEBの実績値概要

①基準値に対する2019年度実績値
2019年度実績値(1,131GJ/年)は、基準値(5,126GJ/年)に対して一次エネルギー消費量の削減率は78%に。

②設計値に対する2019年度実績値
2019年度実績値(1,131GJ/年)は、設計値(2,046GJ/年)に対して一次エネルギー消費量の削減率は45%に。

③2018年度実績値に対する2019年度実績値
2019年度実績値(1,131GJ/年)は、2018年度実績値(1,256GJ/年)に対して一次エネルギー消費量の削減率は10%に。

まとめ

CO2の排出量が2億1,400万tと言われてもピンと来ない方は多いかもしれませんが、例えば1tのCO2がどれくらいになるかというイメージとしては25mプールの体積に等しく、また71本の杉の木が1年間に吸収するCO2量に相当するとのこと。

そう聞くと2億1,400万tという数字は途方も無いものだということが分かります。地球温暖化にCO2が関係しているのかという議論は置いておいて、このような状況の中ZEBはとても有効な方策ですが、それ以外にもビルや建物を利用している人々それぞれが省エネを意識をするだけで全体として大きな効果が見込めるのではないでしょうか。