こんにちは。VRを体験するためのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等は、視力の悪い人、特にメガネを掛けている人はどうするんだという疑問がありますが、昨今のHMDはメガネをしている人でも問題なくそのまま装着できるようになっている製品が殆どです。

ARやVRのこれから先の進化としては人の視力の良い悪いに関わらず、人間の網膜に直接映像を投射することで、誰にでも鮮明な映像が体験できる「網膜投影」という技術がくるであろうと言われています。

網膜に直接映像を照射して新たなAR体験が可能に

富士通のスピンオフベンチャーとして設立された「株式会社QDレーザ」が開発したという網膜走査型ディスプレイ「RETISSA® DisplayⅡ(レティッサ ディスプレイ)」を、コンタクトレンズ事業などで有名な「株式会社シード」が、販売代理店になることに合意。


出典:株式会社シード

3月16日(月)より取り扱いが開始されます。この「RETISSA® DisplayⅡ」ですが、2018年に同社が発売したものの後継機にあたる製品となっています。

※既に昨年10月にアスキーストアにて発売されているものと同型です。
https://ascii-store.jp/p/2019100710130/

映像を目で「見る」のではなく目に「映る」ディスプレイ

「RETISSA® DisplayⅡ」は、超小型のプロジェクタにより目の網膜に直接映像を照射することで、目で「見る」のではなく、見たいものが目に「映る」スマートグラスとなっています。

従来の透過型のスマートグラスでは、仮想スクリーンに投影された映像を視力を使って視るために、どうしても視力やピントに依存してしまいます。また、実視界と映像の間にピントずれが生じやすく、眼の疲れの原因となるピント調節が頻繁に起こる等の問題点があります。

これら課題を解決するため、「RETISSA® DisplayⅡ」ではQDレーザ社により開発された「VISIRIUM(ビジリウム)テクノロジー」という新技術が搭載されています。


出典:株式会社シード

「VISIRIUMテクノロジー」は、映像を網膜に直接投射することにより、映像と背景の両方を同時に見ることが可能です。そのため実世界とピントの齟齬がなく、ピント移動の必要がありません。


出典:株式会社シード

この新しいAR体験によって日常生活の利便性を向上させ、新しい楽しみを生み出すことが可能となります。

製品の特長

1.視力やピント位置に依存せず、常に映像がクリアである。

2.近視・遠視・乱視・老眼など、視力に課題があっても矯正を必要としない。

3.PC・タブレット・スマートフォンをHDMI接続し、映像を投影することができる。

VISIRIUMテクノロジー

VISIRIUMテクノロジーによる網膜投影は、原理的に近視・遠視・乱視・老眼などがあったとしても矯正をすることなく画像を見ることが可能です。

この特長は見えるをサポートする企業である株式会社シードの理念に叶うもので、眼科領域との融合、連携も期待できるとのこと。

新たなAR体験

AR体験はVRのように全く異なる仮想現実に飛び込むものと異なり、現実に対してデジタル情報を付加する体験。例えば、視野にマニュアルを表示する「作業支援」、キャラクター等を現実世界に描く「エンタメ」といった様々なシーンで、新しいビジョンが期待できます。


出典:株式会社シード

両社の取り組み

網膜走査型レーザディスプレイ技術で世界をリードするQDレーザと、眼科領域の知見や全国に広く持つ販売ネットワークに強みを持つシードの協業で、製品を末永く使用していける販売・サービス網の構築を目指すとのこと。

QDレーザは、今回の製品の製造と供給および品質保証を担当。シードでは対象製品の眼科領域を中心とした販売拡大に努めるとともに、販売施設からの販売情報等の収集、保守に関する一次対応を役割を担う。

製品仕様


出典:株式会社シード

まとめ

人の眼の網膜に直接映像を映し出すことで、個人の視力に依存することなく鮮明な映像を提供できるという画期的な技術。

初代の「RETISSA Display」が発売された当時の体験会では、視力の弱い人がそのグラスを使用し動画を見た所、メガネがなくても動画が鮮明に見れることに戸惑うほど驚きの声が多かったそうです。

ARに関しても、従来のARグラスなどではグラスに映っている映像を見る形になるので、現実世界と重なっているとは言え、両方を同時に重ねて見るというのが困難な場合がありますが、この技術では両方が同時にピントが合った状態で見えているというもの。

想像がつきません。実際に体験してみない限り分からないと思いますが、この技術がARグラスのスタンダードになる可能性は高いと思わせられますね。