こんにちは。建設現場の問題点のひとつとして取り上げられる騒音。この問題は建築物によっては、例え建物が竣工されてからでも出てくる可能性のある問題です。

中でも設備機器の運転音などに起因する騒音が多く、特に商業施設においては様々な設備機器があり、地域内で隣接する居住者にとっては非常に迷惑な問題になっていると聞きます。

清水建設では、そんな設備機器の騒音問題を解決または緩和すべく、騒音対策建材として高性能かつ低価格ながらも高い遮音性能と通気性を備えたアルミ製ルーバーの「しずかルーバー」を開発、製品化したそうです。

建築物の屋上部分や地上部に設置された設備機器騒音問題を解決

ルーバーは羽板と呼ばれる細長い板を一定の傾斜を付けて平行に並べたブラインドのような建材。しずかルーバーの特徴は、羽板部分に反射、吸音、共鳴の3つの音響要素を組み合わせた独自の遮音機構があります。

この機構があることで、コンパクトな形状ながら吸音を主たる遮音機構とする、既存の遮音ルーバーと同等以上の遮音性能を備えているそうです。部材の構成もシンプルで、製造はほぼアルミ押出し成形で完結するために既存製品の50%~80%程度のコストになるとのこと。


出典:株式会社成和

製品化の背景

近年では都市の密集化によって、オフィスビルや商業ビル等の業務施設と住宅が近接する地域が多くなっています。そんな中、業務施設の屋上や地上部に設置された設備機器が発する騒音が、近隣トラブルにまで発展するケースが見られます。

その対策として、設備機器の性能維持に必要な通気性を確保しつつ遮音効果も発揮するルーバー材で、設備機器の周囲を覆う手法が採用されていますが、既存の遮音ルーバーでは、羽板に内蔵した大量の吸音材により騒音低減を図る製品の中でも、羽板の形状が大型化・複雑化してしまうために価格が高く、現状では容易には採用できないものです。


出典:清水建設

同社では、吸音だけに頼らない遮音機構を採用することで、製造コストが低くシンプルでコンパクトな形状を実現。それが遮音ルーバー「しずかルーバー」です。

しずかルーバーの特徴

しずかルーバーは羽板間の通気経路に設けた三つの遮音機構により、高音域から低音域まで幅広い周波数帯に対し、騒音低減効果を発揮。

高音域に有効な羽板の先端形状を利用した音の反射機構

通気経路下側の羽板先端の放物線部と、その対面に位置する羽板の円弧部を反射板戸して利用。通気経路に進入した騒音を放物線部から円弧部、円弧部から放物線部へと反射することで音源側に戻します。


出典:清水建設

低音~高音までの広い周波数帯域の騒音低減

一方で低音~高音までの広い周波数帯域の騒音低減に寄与する部分として、羽板の中空部分に内蔵した耐候性吸音材による吸音機構で、吸音材には耐候性・防水性に優れた不燃性ポリエステル吸音材を使用。

中音域の騒音低減機能

さらに中音域の騒音低減機能を高めるために、共鳴現象を利用した機構を導入。通気経路上にスリット共鳴器を組み込むことで共鳴周波数付近の騒音成分を遮断します。この共鳴周波数を適切な帯域に設定することで全体として強い遮音効果に。

遮音性だけじゃない

しずかルーバーは通気性にも優れており、経路形状が滑らかで空気の流れを乱す部材を表面に使用していたいため、空気の流れやすさを示す流動係数は0.5という結果。これは既存製品の2倍~数倍の通気性保が確保されているそうです。

まとめ

この「しずかルーバー」ですが、清水建設が設計施工を手掛け19年11月にオープンする高層ホテル「SGリアルティ新大阪ホテル」の地上設備ヤードの騒音対策建材として採用されているそうです。


出典:清水建設

また、19年12月から製造委託先である株式会社成和を通じて外販を予定しているとのこと。

商業地域である程度騒音が出るのは仕方がないとしても、そこに住んでいるからと言って我慢しろとは言えない問題です。昨今では都市への人口集中が進む中、益々便利な場所に住む人は増加していくでしょう。

そうなると商業地域に居住することになる人も多くなるのは間違いありません。そもそも現実問題として居住人がいない商業地域を成立させるのは無理がある話です。

既存の施設の設備機器からそういった問題が出てきている場合は、今回ご紹介したようなある程度騒音の防止措置が取れる設備を導入しそれを抑える配慮は必要ではないでしょうか。

 

◆記事参考:清水建設「高性能・低価格な遮音ルーバー「しずかルーバー」を開発」

◆製品のお問い合わせ
・株式会社成和
・しずかルーバー製品ページ:http://seiwa-ah.jp/product.html
 TEL:0774-24-9922