こんにちは。2020年のサービス開始が予定されている次世代高速通信規格の5G。皆さんが普段使っているスマートフォンでの利用は勿論、ドローンやIoT機器など様々な分野がその恩恵を受けます。

5Gを特徴を簡単におさらいしておくと「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」。最大10Gbpsの速さで、1ミリ秒程度しかない遅延に、1平方kmあたり100万台同時接続ができるという、4Gとは桁外れの性能差です。

その5G通信をドローンに活用する例も出てきており、以前にKDDIがスタジアムの警備に5G通信を使ったドローンやロボットを活用するというものがありましたが、今回は山岳の警備に活用している例です。

国内初。KDDIとセコムが5G活用のスタジアム警備実証に成功

2019.08.20

 

今回もKDDIをはじめ、国立大学法人信州大学、長野県駒ヶ根市、株式会社プロドローン、中央アルプス観光株式会社らが共同で実証実験を行っています。ちなみにこの取り組みは総務省の5G総合実証試験の一環として実施されています。

上空から4K映像伝送による遭難者の状況把握

山岳の遭難事故が報道されることも多くなっておりますが、近年山岳遭難事故は増加傾向にあるそうです。中でも都道府県別で見ると長野県が日本国内でも最も多いという状況。

遭難者の救助にあたって、位置確認や現場状況の把握が困難な場合が多く、遭難現場の迅速な把握や救助隊員の負担軽減が今求められています。

このような問題を受け、信州大学では登山者の位置情報を把握し見守る「山岳登山者見守りシステム」の開発を手掛けているそうです。


出典:KDDI

今回の実証実験では、山岳登山者見守りシステムにて登山者の遭難可能性が検出された場面を想定。その位置に5Gタブレット、4Kカメラ、拡声器を搭載したドローンを自律飛行させ、現場の確認と登山者の状況を把握します。


出典:KDDI

発見時には5Gの高速大容量を活かした4Kカメラの映像と、拡声器での呼びかけにより現場状況の正確な把握や遭難者の身体状況を本部で判断し救助の要否確認を行うという実証実験を実施。

実証実験の概要

1.遭難の可能性がある場所に5Gタブレット、4Kカメラ、拡声器を搭載したドローンが自律飛行で捜索。

2.ドローン搭載の4Kカメラから遭難者を撮影し、5Gを通じて山岳救助消防本部の4Kモニターにリアルタイム伝送。5Gを通じた音声伝送を活用し、本部からの拡声器での呼びかけによる遭難者の状況を確認。

3.同時にドローンからの4K映像を、5Gタブレットを所持した現場の救助隊員にリアルタイム伝送。


出典:KDDI

各者の役割は以下

1.信州大学:山岳登山者見守りシステムの開発

2.駒ヶ根市:関係各所との調整

3.KDDI:本実証試験の実施、5Gエリアの設計、構築

4.PRODRONE:ドローンの提供、オペレーション

5.中央アルプス観光:実施場所の提供

まとめ

今後、この実証実験を通じて得られた結果と信州大学が持つ知見を組み合わせ、山岳登山者の見守りと救助支援の高度化を検討していくとのこと。

日本国内では、昨年平成30年度の山岳遭難は全国で2,661件発生しており、遭難者数で見ると3,129人。そのうち死者・行方不明者は342人。

この発生件数と遭難者数は、統計が残っている昭和36年以降で最も高い数値になっているそうで、前年対比でそれぞれ+78件、+18人という結果。

これまでの遭難者の救助では、状況により位置確認が困難な上に、救助に向かう隊員の負担もそうですが、危険も全く無いとは言えません。5Gを活用した4Kドローンで一気に広範囲を詳細に把握できることで危険を回避し素早く遭難者のもとに辿り着けます。

今後は様々な現場の監視はドローンが担うことになりそうですね。