こんにちは。様々な分野での活用が急速に進むドローンですが、深刻な人手不足が問題になっている農業分野においても、ドローンの利用は爆発的に拡大しています。

下図はドローンが農業分野に導入された以降、農林水産航空協会におけるドローン機体の登録数と、技能認定操縦者の数となっています。


出典:農林水産省

平成29年4月からオペーレーターの登録者数が大幅に増加していますが、平成30年12月までの1年8ヶ月の間にその数は4倍以上。ドローン機体登録数も6倍以上に。

これだけ普及した要因としては、センサーやICTデバイス等のハード面の進歩とそれを動かすソフト面が短期間で進歩し、実際に実用レベルのソリューションが市場に出てきたことがあげられるでしょう。

今後、まだまだ成長・拡大を続けていくと思われる農業分野のドローンですが、この度「DJI」より圧倒的な性能を持つ精密農業の為に設計構築されたドローンが発売されました。その名も「P4 Multispectral」


出典:DJI P4 Multispectral

作物の生育分析を可能にするマルチスペクトル画像システム搭載

専門分野の人以外にはあまり聞き慣れない「マルチスペクトル(Multispectral)」という言葉が出てきました。我々が日常で目にしているデジカメは「RGBカメラ」と呼ばれており、R(赤)・G(緑)・B(青)の3バンドの波長情報を電気信号に変換してデータを得ています。

撮影をした際に、より人間の資格情報に近い2次元平面データを取得するのが「RGBカメラ」です。一方の「マルチスペクトルカメラ」というのは、RGB以外の光の波長をさらに細かく分析できます。

RGBカメラは3バンドの波長ですが、マルチスペクトルカメラの場合は約10バンドと、より細い波長情報を取得できるようになっています。


出典:DJI P4 Multispectral

DJIの「P4 Multispectral」はRGB(可視光)の他にRE(レッドエッジ)、NIR(近赤外線)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のマルチスペクトルで合計6つのカメラが搭載されています。

マルチスペクトルで具体的にどんなデータが取れる?

一般的なRGBカメラでは、人の目視情報に近い画像、所謂可視画像が取得できますが、マルチスペクトルカメラの場合はバンドが多い分、多くの波長データを取得できるため、目視では分からない不可視光を捉えたデータを得ることが可能。

例えば、人の目では分からない微妙な色味の違いや、成分の違いまでを可視化することができるので、植物の分布状況や活性度を示す指標である「NDVI」までが取得できます。

RGB映像とNDVI映像を表示

そのマルチスペクトルカメラを搭載した、DJIのP4 Multispectralは、農業従事者にとって非常に実用的な情報を提供します。

単純な空撮画像だけでは、農業従事者にとっては充分な情報とは言えません。マルチスペクトルカメラがあることで、RGBでのライブ映像とNDVI分析映像を切り替えて表示。


出典:DJI P4 Multispectral

NDVI映像では、注意が必要になる箇所が可視化されるので、処置が必要な箇所を素早く発見することができます。

P4 Multispectralの活用事例

精密農業


出典:DJI P4 Multispectral

作物のどのような段階の成長期でもマルチスペクトル画像で、人の目では確認できない電磁スペクトル全体の情報提供がなされるため、農業従事者にとって実用的です。

そのデータとその後に取得したNDREやNDVIなどのデータにアクセスすることで、作物の処理やコスト削減、リソースの節約、収穫量の最大化について、タイムリーで情報に基づいた決定ができます。

環境モニタリングと調査


出典:DJI P4 Multispectral

P4 Multispectralを活用することで、作物などの定期的な調査とメンテナンスがよりスマートで効率的に。実用的なマルチスペクトルのインサイト分析を行い、森林状態のモニタリング、バイオマスの測定、海岸線のマッピング、また、生息地や生態系の保護活動を行いながら、水辺の植生の管理などを実施できます。

まとめ

こちらのドローンですが、10月から世界のDJI正規代理店にて開始されており、お値段はアプリライセンスが1年間付与され合計で税込み約85万円とのこと。

このドローンがあることで達成される業務効率化の効果を考えると、個人的には比較的お安く纏まっているのではないかと思います。

今後もドローンビジネスの市場規模は益々拡大していく予測で、特に農業分野においては「検査」分野についでの市場規模となっています(下図)。


出典:農林水産省

今後も今回のDJIのドローンのような革新的技術の登場によって、現場のイノベーションが加速していくことは間違いないでしょう。これまでのようなイメージとは違い働き方そのものが変革され、人材不足が解消されることを願うばかりです。

 

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