こんにちは。「仮設資材」と聞いても一般的には普段からあまり聞くことがなく、あまり馴染みがないと思います。工事現場などで見かける囲いのフェンスやパネルなど、と言えば想像がつくでしょうか。

ちなみに建物を覆うネットやシート、ゲートなど仮設資材の範囲は広く、土木や建設現場では多種多様な仮設資材が使われています。

そのどれもが基本的に工事現場での「安全第一」を目的とした役割を担っています。仮設資材は安全な現場作業を実現するためのものだと言えます。

その仮設資材に、新たに紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術「KAMIWAZA」が王子ホールディングス株式会社と清水建設より共同開発されました。

人と環境に優しい仮設資材。仮設施工の生産性を向上

「KAMIWAZA」と名付けられたこの仮設資材ですが、土木現場の仮設資材に紙素材を活用したソリューションとなり、SDGs(※)の実現に寄与する目的で開発されています。

※SDGsとは
Sustainable Development Goals=「持続可能な開発目標」の意味で、2015年9月の国連サミットにて採択された、17のゴールから構成される国際目標。詳細は「外務省HP」

従来、仮設資材として利用されていた鋼材や土材の代替として、より取扱いが用意になる紙素材を使うことで作業員の負担は軽減し、仮設施工における生産性が向上します。

KAMIWAZAに活用される主な素材


出典:王子ホールディングス

「HiPLE-ACE®」:重量物包装資材として利用されている3層構造の段ボール材で、衝撃吸収性能と強度に優れる。

「ハトシート」:主原料として木材パルプを使用した不織布で、吸収した液体の拡散性、保持力、揮発性をコントロールすることが可能。

HiPLE-ACE® の活用事例1「トンネル風門」

山岳トンネルの坑内に仮設するトンネル風門。これはトンネルの貫通時に生じる急激な風の流れを止める目的で利用されます。従来では鋼材等の部材をクレーン車で釣り上げながらナイロン製の専用バルーンを使用していました。


出典:王子ホールディングス

それをHiPLE-ACE®に置き換えることで、事前構築した支保工に段ボール部材をワンタッチ固定することで、約100㎡のトンネル風門を高所作業車のみで構築することが可能に。

さらに段ボールはリサイクルができ、コストも従来工法の約半分に削減。

HiPLE-ACE® の活用事例2「ガードマンボックス」

現場では歩行者や自転車などの安全確保のために、出入り口にガードマンが配置されています。その際にガードマンの待機場所としてボックスが設置される場合がありますが、スペースの関係で全ての出入り口に設置することは困難で、重量物のため設置や移動も容易ではありません。


出典:王子ホールディングス

それをHiPLE-ACE®を活用したガードマンボックスにすることで、女性や高齢者でも手軽に運搬できるように軽量でコンパクトとなり持ち運びや組立も容易。また、簡易な防風対策として冬季の労働環境改善が可能。

ハトシート の活用事例「アースカラークールシート」

山岳部の土木工事の際、猛禽類への影響を抑えるため緑色や茶色のような環境調和色(アースカラー)を使用します。しかしコンクリート材料用の骨材貯蔵設備では、太陽光による温度上昇を防ぎ、コンクリート品質を安定させるために一般的に遮光用の黒色ネットなどで周囲を覆う必要があります。


出典:王子ホールディングス

ハトシートを活用したアースカラークールシートでは、環境調和色による猛禽類の保全対策だけでなく、袋内に取り付けたハトシートに水を含ませることで、骨材貯蔵設備の温度上昇を防止することが可能です。

まとめ

これまで現場の安全のために活用されてきた仮設資材ですが、資材の素材の重量や現場スペースなどの問題で設置が困難な場合も多くありました。

今回開発されたのは紙ベースの素材となり、重量の問題は解決され設置や移動が楽になったり、折り畳んで置いておくことも可能になっているため、スペースの問題も解決されます。

今回ご紹介したのはほんの一例。現場には様々な種類の仮設資材があるので、この「KAMIWAZA」に置き換えることができるものは多くあると思われます。

 

◆記事参考:王子ホールディングス株式会社「人と環境に優しい仮設資材を土木現場に適用~紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術 KAMIWAZA~」

◆お問い合わせ:王子ホールディングス株式会社「広報IR室:TEL 03-3563-4523」