こんにちは。急に激しい雨が降っては止みという不安定な天気が多いですが、いよいよ梅雨明けしそうな雰囲気になってきましたね。

平年梅雨明けは7月21日頃。今年の近畿の梅雨明け予想は26日とのことです。厳しい暑さに備えましょう。

さて、本日は建設現場や工場で働く作業員の健康状態や、作業を行っている場所の環境状況を一元管理し作業員の安全管理を行うシステムをご紹介。

スギヤマ
昨今の夏は異常な暑さになることも多く、またそれに伴って熱中症患者も多く出ている。過酷な環境で作業を行うことになる現場作業員の体調管理と安全確保のため、このようなシステムが増えてきている印象だ。

 

リストバンドを着けるだけの手軽な体調管理システム

このリストバンドを着けての体調管理システムですが、もともと大林組が2015年に開発・利用していた「Envital(エンバイタル)」という、作業者・作業環境の管理システムを刷新したものです。

Envitalとは

心拍数(バイタルデータ)をウェアラブルセンサhitoe®で取得し、人体に影響を与える湿度や気温(環境データ)を暑さ指数ウォッチャー®で計測。

そのバイタルデータと環境データをクラウド上で共有することで、一人ひとりの体調を管理し安全な労働環境を確保するためのシステムです。

開発の背景

近年では記録的な猛暑対策が課題となる中、建設現場では作業員の安全確保のために、各人の体力や体調、作業内容、作業地点の環境の違いを総合的に管理し最適な対応をとることが重要。

同社ではこの課題に応えるため2015年に「Envital」を開発。2017年度から本格運用を進めていたそうです。


出典:大林組

今回の開発では、バイタルセンサを従来のシャツタイプから、リストバンド型心拍センサに改めるとともに、心拍数を受信しクラウドシステムに送信する中継器を現場に接地。

これにより、通信デバイスとして使用していたスマートフォンが不要となります。また、ゲートウェイを介した位置情報の取得、これまでの運用で培っているノウハウを活かした緊急アラート機能の追加など、利便性と有効性が大幅に向上しています。

新しいEnvitalの特長

1.スマホレスにより利便性を向上し、現場内の位置情報も取得

従来はバイタルデータをクラウドに送信するために、通信デバイスとしてスマートフォンを私用していたそうです。そのために作業中にスマートフォンを携帯しなければいけない不便さ、システムへのログイン・ログアウトの煩わしさ、充電・管理作業が作業員、管理者の負担となっていました。

今回の刷新ではバイタルデータを送信するため、自ら到達距離の異なる3種類のビーコン信号(短:30m、中:100m、長:300m)を連続的に発信するリストバンドを採用。


出典:大林組

現場にビーコンを受信し、クラウドへ送信するゲートウェイを設置することで、スマートフォンを携帯しなくても取得したバイタルデータをクラウドに送信することが可能です。

作業員は作業開始時にリストバンドのスイッチを入れるだけでバイタルデータの取得、送信ができ利便性が大幅に向上しています。スマートフォンのご操作や充電切れの心配もなく、スマートフォンの持ち込みが禁止される工場内でも使用できるようになっています。

さらにゲートウェイの位置とゲートウェイが受信したビーコンの信号が「短・中・長」のどれによるかの判定で作業員の位置も把握可能。これに環境データをゲートウェイと紐付けることで、作業員と近傍の環境データの値が自動で紐づけできます。

スギマル
こちらも従来では作業場所が変わる度に手動で紐づけを行っていたそうですが、自動化することで手間をかけずに環境データを利用した体調管理が可能になったそうです。

 

2.運用データを活かした緊急アラートを追加

これまで同社では建設現場や工場など、延べ40ヵ所のEnvital導入実績があり、1,000人以上のバイタルデータを取得してきています。これらバイタルデータや作業員に実施した体調アンケートを分析し、知見を集積してきています。


出典:大林組

その知見を活かし、しきい値が一定値を超えた際に緊急アラートを表示したり、緊急アラートメールを発信する機能を追加。これにより各作業現場において緊急アラートが発信された作業員に対して速やかに休憩させたり、水分・塩分の補給を行うなど、よりきめ細やかな対応をとることを可能にしています。

スギヤマ
AIではないが、これらのシステムでも得られた多数のデータの知見から確度の高い設定ができている。教科書通りではなく現場から得られた生きたデータを使ったシステムは非常に有用なものだろう。

 

まとめ

スマートフォンを使ってデータを送信をするのも便利なものだとは思いますが、システムに入るためのログイン、そしてログアウトの作業や操作はあまり操作に慣れていない作業員にとっては、確かに煩わしいものだったでしょう。

着けるだけで細かい事は意識せずに使えるというのは、特にこのようなバイタルデータや環境データを取得するという物に関しては重要なことだと思います。

熱中症は自分自身での体調管理は勿論、作業員同士の声がけも重要。さらにそこにもう一つの客観的判断としてこのようなシステムがあると、より安全安心な現場作業が実現できそうです。